操体法大辞典

操体の専門家による、操体の最新情報など

継続は力なり(腰痛とか膝とか)

知りあいが「先週歩けなくて整形に行って、注射を打って貰ったら、半日後くらいに痛みがなくなった」と言っていた。左の梨状筋辺りから、腿の裏側にかけて痛かったのだそうだ。

局所麻酔というやつだ。

 

動作を見ると、同手同足でモノを拾う。

左足を一寸前にして拾えるか?と聞くと、左足に体重がかけにくいという。

その人は、右利きなのに軸足が右で、あきらかに右足に体重をかけるのがラクなのだそうだ。

 

また、左股関節付近のレントゲンを撮ったところ、大腿骨頭に「加齢」による、石灰沈殿があったそうだ。

 

なるほど。操体法の場合、症状疾患にはとらわれないので、ここでは「なるほどと」と、あくまで事実を見ることにする。

 

そして、興味深かったのは「毎月2回ホットヨガに行っている」ということだった。岩盤浴もあるので、結構たのしいらしい。

 

ちなみに「運動不足」だから、からだに痛みが起こるというわけでもない。

この人は、数年前膝が痛かったのだが、「運動不足?」と思い、ウォーキングを始めたら膝の痛みが改善したらしい。

これは、ウォーキングをしたので膝の痛みが解消したのではない。

 

私の経験談のように、右手でモノを拾う際、右足を出していたのを、左足を前に出して拾うようにしただけで、膝の痛みが解消した例もある。
この場合は、左足を出してモノを拾ったから膝痛が解消したのではなく、からだにとって、自然な使い方をしたので、全身のバランスが整い、結果的に膝の痛みが解消したと考える。なお、この方は、その後定期的に操体法のメンテナンスをしっかりやっているが、膝の痛みは8年近く再発していない。

 

ウォーキングによって、足(大腿部)の筋肉を使うようになったので(大腿筋と膝は関連性がある)、また、歩く事によって気分がリフレッシュ(継続して歩くと脳内ホルモンが分泌される)したこともあるだろう。また「運動している」という充実感もある。

 

ヨガもウォーキングも「継続」しているのだ。

ヨガをやったから良くなった、歩いたから良くなったというよりも、「継続したので改善した」と考えたほうがよいのだ。

 

しかし、我々のような手技療法の場合は「一度行ったらよくなる」ことを期待されることが多い。が、それは程度による(まあ、期待されるのは当たり前かもしれないが)。

 

勿論一度で結果が出ることもあるが、基本的には、継続が必要なのである。

 

  1. ギックリやっちゃった!(いままでの習慣の積み重ねが、一気に噴出)
  2. 動けない!(自分では対処できない状態)
  3. プロの出番(まずは応急)
  4. プロの出番(生活習慣とか経過チェック)
  5. プロの出番(自分でケアできるところまで健康度合をアップさせる)
  6. プロの出番(セルフケア指導)
  7. 自分でケア
  8. 定期的にメンテ

 

8の「定期的にメンテ」だが、髪の毛も自分でカットできるし、顔も自分で洗えるし、パックもシェービングもできるけれど、たまにはプロにカットしてもらったり、プロにフェイシャルをお願いしたり、と、たまのお手入れ(メンテ)には、プロの手を借りるといいですよ、というお話である。

 

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