操体法大辞典

操体の専門家による、操体の最新情報など

操体法の「捻転」と「片頭痛体操」

先日、あるドクターとクリニックの方に、操体の「般若身経」の捻転の話しをしました。

(からだの使い方、動かし方の基本。般若心経ではなく「身」。橋本敬三先生の時代からある、いわば基本運動の愛称です。操体実践者の間では、かなり有名です。というか、これを知らずして操体を語ったらウソだろ!くらい有名です)。

 

そうしたら「片頭痛体操みたいですね」と言われたので、調べてみました。

 

その前に、はるか昔の記憶が甦ってきました。

友人の家にわんこがいたのですが、そのわんこのトレーナーさんと一緒になったことがあり、その時に「般若身経の捻転」(捻転する方の母趾球に体重が移動し、反対側の足の踵は軽く浮く)を「ちょこちょこっと仕事の合間にやってみてください」と伝えました。

その後、しばらくしてからそのトレーナーさんに会ったのですが、

「実は片頭痛持ちで、鎮痛剤が手放せなかったんだけど、頭痛が起こりそうになったら、あのぶらんぶらん(捻転のことですね)をやると、おさまる」「最近片頭痛がおこらない」という衝撃の告白を受けました。

 

それほど難しい指導ではなく「立ち話でちょこちょこっと」のレベルです。

 

なお「捻転」は、両足の母趾球の間で重心の移動が起こりますが、うまくやれば、小さな動作で全身がまんべんなく連動します。多分それが上手くいって、全身のバランスが整ったのでしょう(からだのつくりに適った動きを行ったので、バランスがとれた)。

 

えっ、ほんと?捻転だけで?と思いましたが、その後、モノの拾い方を口頭で指導しただけで、膝の痛みが消えて、その後再発していないというケースもあるので(この方は、きもちよさを味わいに、メンテナンスにはいらっしゃいます)こういうことはありえるんですね。

 

もう一つ思い出したのは、私の昔のクライアントの方の話です。

仕事で関西に引っ越したのですが、転倒して膝をひねって痛くて仕方ないと言うときに、東京まで行けないけど、どうしたらいいか、と、電話を貰いまして、電話で「これこれこうやってみて」と言ったら、
電話口で「あれ?痛くない」「痛くなくなりました」と言われたこともあります。

 

★この3つのケースには、あとでよくよく考えると「共通点」がありました。

 

痛みやトラブルがあったので、余計な事を考えるヒマがなかったのですが、それがかえってよかったのかもしれません。

私が言ったことを、素直にそのまま実行してくれたんです。

(この場合は、きもちよさとかそんな話しは一切していません。緊急時でしたからね)

 

この「素直にそのまま、深い意味とか考えずに」というのがポイントです。

つまり「からだにききわけて」という、操体の基本ルールが通ったからなんですね。

 

ちなみに、片頭痛体操というのを調べてみたら、操体とは違って、足の体重移動はせず、頭も固定して、首と腕だけをコマのように振るんだそうです。

つまり、肩と首をストレッチしているんですね。

操体の『捻転』は、全身形態が連動します。その辺りが違います。