暑くなりましたね。
私は暑いのが少し苦手なので、今年は「清暑益気湯」(いつもは「補中益気湯」を飲んでます)を処方してもらいました。空咳も少し出る(冷房のせいでしょう)ので「麦門冬湯」も。
日々の養生だけでは間に合わない場合は、漢方のお世話にもなります。
こんなお問い合わせがありました。
「首を寝違えて、一ヶ月近く、近くの整体院に一日おきに通っているのですが、なかなか治らないので、他の施術を受けていいかと聞いたら、受けていた整体に体が慣れているから、10日くらい間をあけてください、と言われました。操体をなるべく早く受けたいのですが、10日間をあけたほうがいいですか」
う〜ん。
そもそも「近所の整体院」と「操体専門」のところでは、スタンスが違います。
「近所の整体院」は、近所にあって、思い立ったらすぐ行けますよね。
しかし、どこもそうだと思いますが「操体専門」のところは、大抵「一人」でやっていますし、ベッドをいくつも置いて、何人もの施術者が、なんていうわけにはいきません。従って、私の知っている操体専門施設は、完全予約制ばかりです。
これは操体のデメリットでもありますが、一人一人じっくり診せていただくので、効率や回転率はよくありません(受けるほうにとっては、メリットだと思います。一人一人に寄り添った、丁寧な臨床を受けられるからです)。
当研究所(TEI-ZAN操体医科学研究所)もそうですし、私の師匠、三浦先生のところもそうですが、近所の方は殆ど来ません。
いらしゃるのは「操体を受けたい方」なんです。
★ぎっくり腰とか、寝違えとか、あるいは遠方から泊まりで東京に来ており、集中的に受けたいという方はいらっしゃいます。
殆どは、一度受けて頂いたら、超早くて翌週、普通は2週間後、その後はメンテナンスに月イチという感じです。
何故そんなに間をあけていいの?と聞かれます。
それは、他力的外力で無理矢理矯正しているのではないからです。
他力的に矯正するものは、確かに早く結果(矯正結果)が出ます。
しかし、他力的に無理矢理やっているので、戻るのも早いのです。
操体は、よく例えに出しますが、イソップ童話の『北風と太陽』の太陽のようなアプローチだと思って下さい。
旅人から外的他力的に強風で上着を吹っ飛ばすのが、北風です(北風が全部わるいわけではありません。必要なこともあります)。
一方、温かい光を旅人に浴びせ、自ら上着を脱がせるのが、太陽です。
(我々も、緊急事態には北風を吹かせますけど、普段はやりません)
風に飛ばされた上着は、また着込まれますが、温かくて脱いだ上着は、また寒くなるまで(長持ち。そうです。長持ちするんです)着ません。
つまり、他力的外力的なアプローチではないので、すぐ戻ったりしにくいのです。
>受けていた整体に体が慣れているから、10日くらい間をあけてください
というのは、私の推測ですが、被験者のからだをかなり痛めつけている、つまり、筋骨格系レベルで相当いじっている(炎症を起こさせているとか)ので、それがおさまるまで10日くらい間をあけてください、ということなのかもしれません。
また、我々(操体法東京研究会で操体を学んだ者)は、痛いところや気になるところには、あまり触れません。
「遠いところから、アプローチ」します。
例えば骨折後や怪我したところは触れられませんが、我々は別の方面からアプローチを試みます。
結論を言えば「10日開けなくても大丈夫」です。
痛いところには触れないからです。
妙な話ですが、怪我なども早く回復します。
この辺りは、操体法東京研究会のメンバーが、カラダを張って実証しています。