操体法大辞典

操体の専門家による、操体の最新情報など

腰痛(ぎっくり腰)メモ。

こんにちは。畠山裕美です。

最近ぎっくり腰の症例が続いたので、記しておこうと思います。

 

以前も書きましたが、最近では、ぎっくり腰の場合、安静よりも鎮痛剤を飲んで、少し動くことを奨励しているようです。

「からだの使い方、動かし方」を知らないと、またやりますけどね。

 

勿論仕事などやむを得ない場合もありますが、もし、やったら、数時間くらいはゆっくり安静にして休んで頂きたいと思います。からだは「今動かないでちょっと休みなよ」と言っているんです。

 

なお、10月10日にお送りした「超操体法入門」で、三浦寛先生や半蔵さんがお話していましたが、ぎっくり腰とか寝違えというのは「急性期」です。急性期に無理に患部に手をかけた場合、どんな名人でも対応できないことがあります。

それは「治療に適した時期」があるからなんです。

 

ぎっくり腰になった人や、寝違えた人は、少しでも早く良くなりたいと思うのが当然ですが、からだは「八方塞がり」の状態にして、強制的に安静を保たせているとも言えます。

 

★これはご参考ですが、痛みも「安静になるだろう的な痛み」と「危ない痛み」があります。危ないのは急性膵炎のような痛み(どんなポジションでも痛い)とか、虫垂炎の痛みとか、胆石の痛み、心臓関係の痛みなどは注意してください。

 

★そしてこれは私の経験ですが、最初、妙な腹痛かと思い、胃腸科に行ってレントゲンを撮っても何ともなしで、漢方と整腸剤を貰って帰って来た翌日に、左の骨盤前後に(左だけ)赤い発疹と痛みと発熱が出て「お、こりゃ腹痛じゃなくて帯状疱疹だ」と、気がついてすぐ病院に行って、抗ウイルス薬を服用しました。

この時は、カロナール(500)を一日三回、しばらく飲んでおり、その後、痛みが治まらないので、ロキソニンにグレードアップ(?)。

★★ちなみに、この時に左腰背部が「ぎっくり」しまして、三浦先生に鍼を打って貰いました(すぐ治った)。

 

というように、痛みも色々な可能性があります。胃腸科のお医者さんも、まさか帯状疱疹だとは思わなかったでしょう。

 

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ケース1 女性 50代

掃除機をかけていて、腰が痛くなり、足が痺れて動けなくなった。

驚いて病院に行って、ブロック注射を打って貰うが、その後また痛い。

働く主婦で、疲労が溜まっている。受験生の子供もいるので、自分の健康に気を遣うヒマがない。

 

足趾の操法®を受けて、ものすごく気持ちがいいという。意識飛びを何度も起こす。

頸椎の調整を行って、1回目は終了。2回目は三日後。

足趾の操法と、臀部梨状筋にアプローチ、頸椎の調整でほぼ調整完了。疲れがたまっていたのもあるようなので、月イチくらいで調整に来たら?と言うと「子供の受験が終わったら」という。それまで自分の健康を放置するつもりなのか、また、お母さんが体調を崩したら、子供の受験にも触るのでは(お母さんの健康がしいては子供の受験にもいい影響があるんでは・・・と思ったが、受験が終わるまではこのままのようである)。。

また、※日常の動作等の注意点を伝えたので、調子はいいらしい。

 

※個人別の指導になりますが、かなり重要です。

 

ケース1 男性 50代

前から多少気になっていたが、朝、重い荷物を運ぶ作業をして、かなり無理があったかな、とのこと。移動で電車にのり、一時間くらい座っていたが、乗換で立ち上がった瞬間に、左の腰に痛みが走る。この時点で連絡があったので、出先でも休めるならば少し安静にするように伝える。翌日、安静を保ったせいかかなり楽になったといらっしゃる。

 

痛い場所が明確である。左仙腸関節のあたり。疲れもあったのかもしれないが、ここはクシャミとか、変な話だが、排泄時にいきんだりしても「ぴきっ!」となったりする。
今回は重い荷物を持ったのがトリガーになったのではと思う。

左の腰が痛いというので、左の腓腹筋あたりを触ると、ゴロリとした硬結にふれる。本人も痛みを感じる。

 

最初に、仰臥膝二分の1屈曲位をとっていただき、左足を正座した私の膝に乗せて貰い、膝二分の一屈曲位のまま、膝を伸展、足底を踏み込んでもらう(踏み込む際に、踏み込む場所を指示)。腰と背中が浮いてくる。感覚を問いかけると「きもちいい」というので、味わいたいだけやってもらう。腓腹筋周囲と内ももはかなり緩む。

まずは足趾の操法を行うが、T本先生にアシスタントをお願いし、右の手をよく見て貰う。第示指と中指の間の「水かき」にかなりの痛みがあるようなので、左足の第二趾と三趾の間の水かきをつまむと、痛いところに響くようだという。

しめしめ、である。

その後、うつ伏せになってもらい、D1'で「仙腸関節を狙い撃ち」してみた。

これでかなり元に戻ったような気もするが、腰と言えば絶対首に出るので、頸椎をチェックすると、やはり見事な圧痛硬結がに触れる。

 

ここで、T本先生にモデルになってもらい「こういう風にやってね」というように、例を示す。

 

★なお、後で聞いたところT本先生は、数日前からノドに溶連菌感染症っぽい症状が出ており、首に大きな圧痛硬結が出来ていたのだが、私がそれを見つけて処置したので、楽になったとのことだった。

 

★なおなお、これはかなり即効性があるのだが、これこそかなりテクニックが必要なものである。操体って簡単にできるよね的に、素人や初学者が見て真似をすると困るので、人前ではあまりやらない。受講生や後輩には「この人は大丈夫。できる」と、確信してから伝授している(受講生には、ちゃんと時期を見て教えると言ってあり、もしも見よう見まねでやって、事故でも起こしたら、私は責任はとれませんよ、と言ってある)。

 

一度T本先生の実例を見て貰ってから行ったので、非常に上手くいく。

いわゆる「入った」というヤツである。

 

それから立って頂き、足踏、膝の屈伸などをやって頂き、終了。

 

※※日常の動作関連のおさらいをして、終了。

 

※※再発防止のために、かなり重要です。