操体法大辞典

操体の専門家による、操体の最新情報など

からだの使い方をチェックすることが、操体臨床の近道です。

先日いらっしゃった方ですが、30年程前に、秋葉原にある都内の操体専門の治療室に行っていたとのことでした。

 

「ベッドがたくさん並んでいて、一度に操体をやっていました」

(へえ~。ベッドを並べてですか)

「私は年配の女性の先生にやってもらっていました」

「最近また腰と足の調子が悪いので。。友達が整体を紹介してくれたんだけど、一度整体で壊されそうになって、やっぱり操体が自分には合ってるなと思って」

 

というわけで、まずは、からだの使い方をチェックしました。

この方は、モノを拾う際、右足を前に出して、膝の裏筋を伸ばしたままきゅうくつな姿勢で拾っていました。

 

(あちゃ~。これじゃ腰と膝にくるよね)

この方の場合、これを修正すれば、大丈夫です。勿論ウン十年のからだの習慣なので、一日二日で修正できるわけではありませんが、大丈夫。

 

「30年前行っていた操体の治療院では、からだの使い方動かし方は、教えてくれませんでした?」

「教えてくれませんでしたね。行ってやってもらって、という感じです」

 

なるほど。ベッドが沢山並んでいたら、ひとりひとり個別に指導とかできないよね。。。

 

この日、私がやったのは、足趾の操法です。

充分に味わっていただきました。

 

その後、右の臀部が痛むというので、臀部梨状筋と、仙腸関節のあたりを調整したところ

「これはきもちいいですね」とおっしゃる。

 

しめしめ。

 

「きもちのよさが消えるまで味わっていていいですよ」

「抜きたくなったら、抜いてかまいませんから」

 

私は何もいいませんが、「からだが選択して」ふわっと抜いてくれました。

 

その後、からだの使い方、動かし方のポイントを、日常生活に取り入れられる範囲で(あまりハードルが高いと続きません)指導しました。

 

このようにさくっと書いていますが、実は、D1'(ディーワンダッシュ)、第二分析、第三分析、第四分析、新重心理論による操法をミックスしています。

 

実践力が100あったら100出すのでは、力尽きてしまいます。

実践力の在庫を500くらいもっていて、100くらい、適材適所を選びながら出すのが理想的かなと思います。