操体法大辞典

操体の専門家による、操体の最新情報など

ツボを押しても?

先日あるテレビ番組で「東洋医学でからだの不調をなおす」的なことをやっていました。

出ていたタレントが「東洋医学っていうと、オカルティックな感じ」とか言ってるので、

 

「いまどき何言ってんだろう」と思いました。

多分「気功」と「東洋医学」を混同しているんでしょう。まあいいけど。

 

そこでやっていたのが、「○○の不調にはここを押す」的なこと。

よく、雑誌やネットでも「○○にはこのツボ」的なことが書いてあります。

 

しかし、ですよ、

それで治っていたら、みんなやっていて、治療家はいりませんよね。

 

たまに「操体って自分でできるから、施術者はいらない」とか、プロの操体実践者に対して超失礼なことを言う人がいますが、

 

操体を自分でやって何でも治るんだったら、世の中の人はみんな操体をやってるはずだ」と思いませんか?

 

自分でやるには「自分で治せる程度」じゃないといけません。

自分で治せる範疇を越えたら、やはりプロの助けが必要です。

 

さて、ツボですが、何度か書いていますが「ツボは押すものではなく、効かせるもの」なのです。

 

「ツボを押している」という人の手元をみると、大抵ズレています。

鍼灸にせよ、鍼を打つわけです。大雑把にそのあたりを押すのと、鍼でピンポイントを狙うのとでは、全く違うのがわかっていただけるでしょうか。

 

その点、お灸はお勧めです。

温熱はエリアをカバーするから。自分でやるならお灸か蒸しタオル(濡れタオルをレンジで温める)がいいかも。

 

 

なかなか「そこに当たらない」

この辺りは触診も同じです。

操体で1番有名なのは、膝窩(ひかがみ)の触診ですが、最初は皆ヘタです。

大抵は、力を入れすぎてぐりぐりやるとか、被験者が痛いって言っているのに、ぐりぐり続けるとか、それは圧痛硬結ではなく、組織を押しつぶしている別の痛みだろうとか、とにかくできません(私もそうでした)。

 

私の場合、昔から手は練っていたものの、外気功(医療気功)を習い、その後三浦先生に弟子入りし、指尖の使い方を習得してから、飛躍的にできるようになりました。

 

基本的に、圧痛硬結は「探さない」のです。

「手がそこに行く」ようになります。勿論1週間やそこらでできるようになるわけではありません。今までも何人かに伝授していますが、最後まで伝授できたのは、数人です。大抵は「あともうちょい」というところで「これでいいだろう」と、勉強をやめてしまうのです。

こういうのって最後に「鍵」を渡すんですが、「鍵」を渡す前にやめちゃう。

※「鍵」っていうのは、最後に渡す認定証みたいなものです。勿論「モノ」ではなく、概念ですが。

 

三浦先生の渦状波にせよ、先生がいるところや、先生の庇護エリアの中で、効果を得て、「これなら自分でも独立してできる」と、まだ学びが完成していないのに、飛びだして独立開業して、結局は閉めた、という話は一人二人ではありません。