操体法大辞典

操体の専門家による、操体の最新情報など

2024年春季東京操体フォーラムに向けて

こんにちは。TEI-ZAN操体医科学研究所の畠山裕美です。

来たる4月29日は、2024年春季東京操体フォーラムです。

 

考えてみると、現体制ではじめたのが2002年ですからもう20年以上もやっていることになります。

 

すごいな、と自分でも思います。

 

操体には色々な切り口があるので、いくらでも出てくるんですが、私が今まで感じていたのは「生活に活かす操体法」を実践している方々と、我々のように「臨床に活かす操体」をやっている人間の間の温度差があるなあ、ということでした。

 

以前関西に行った時は「操体の講習を2年もやるなんて信じられない」とか、つまり、操体法というのは、ラジオ体操みたいなものという感じです。

もっと言うと、お金を出して習うものではないとか、サークルとか同好会でやっている健康体操とか養生法という感じです。

 

私自身20年位前に「操体専門で開業している」と言ったら驚かれたことがありました。

その方にとっては、多分

「ラジオ体操を教えて生計を立てている」みたいな感じだったのかもしれません。

 

一方東京の「操体法東京研究会」では、鍼灸師柔道整復師理学療法士、スポーツトレーナーなど、専門家が時間をかけてプロフェッショナルな勉強をしていました。

 

同じ操体という畑の中に、アマチュア愛好家とプロが混在する手技療法はあまりないのでは、と思います。

 

というわけで、今回は生活に活かす操体法と、臨床に活かす操体法の、二方向の切り口でやってみようと思います。

 

操体の便利なところは、操者(指導者)もセルフケアが可能だということです。また、臨床(施術)をしながら自分のケアもできる(その際、エネルギーの奪い合いなどが起こらない)という面白さもあります。

 

世の中で、治療施術にあたった操者自身も元気になる、ケアができるという治療法があるでしょうか(笑)。

 

一般的には、治療家は短命とか言われますが、操体に限っては、長命な先生方が多いのも事実です。これは、操者が第三者に施術を行いながら、自分も元気になる、ケアができるからだと考えています。

 

実際、調子があまり良くない時でも、クライアントが快適感覚を味わってくれていると、それが伝わってきます。

よく「気を盗む」とか「気を奪う」という人がいますが、「快」は相手から奪ったりしません。むしろ、増幅するのです。

 

そんなことも話せたらいいなと思っています。

 

 

 

 

 

 

 

その人にあった対処法がある。それが操体法です。

こんにちは。TEI-ZAN操体医科学研究所の畠山裕美です。

 

昨日「骨盤を立てる」という話を書きましたが、アレは「操体を勉強している人向け」に書いたので、かなりマニアックな内容だったかと思います。

 

今日は「操体に興味のある一般の方」むけに書いてみたいと思います。

 

日本人は昔から海外からやってきた文化を上手に取り入れるのが上手かったんです。

今、大河ドラマでは平安時代ですが、平安のちょっと前、天平辺りでは。中国風に、椅子にテーブル文化だったわけですね。

平安時代は床にそのまま座るようになりました。

 

ちなみに正座。

昔からやってたのか?と思いきや調べてみると

徳川幕府安泰のために、参勤交代や天下普請など地方大名に謀反を起こさせないための政策を行っていた家光ですが、家臣に裏切られることは非常に恐れていたと言われています。 そこで、目の前の家臣が急に襲ってこないように、足が痺れてすぐに立つことのできないあの座り方を命じたそうです。

とのこと!足を痺れさせるとは!!!

 

江戸時代初期の話なんですね。確かに時代劇を見ていても、戦国時代はみんな胡座とか、足底を合わせて座ってますよね。。

 

そして着物文化から洋服文化に変化しています。

 

私が言いたいのは、日本の人って、器用に文化にからだを順応させてきたんだな、ということです。特に洋装メインになってから(戦後)は、からだの使い方も変わり、さらに最近の小学生なんかは、足が長いですよね。

 

そして、腰の状態も様々な人がいます。

反りすぎてヘルニアになる方もいるし、反らなさすぎて(スウェイバック、猫背)腰を痛める方もいます。

ちなみに、猫背と骨盤が反っていないというのは違うので、これはまた別の機会に。

 

腰が反りすぎて痛みがある人に、更に腰を反らす姿勢を強要するのはナンセンスですし、その逆もしかりです。

 

ただ、操体は「その方の状況にマッチした動診・操法」を選択してやっていきます。

それが可能なのは、操体が「その人にしかわからない感覚の分析」を行うこと、また、腰へアプローチするにしても、腰を直接触ったりしないからです(遠方からアプローチする)。

 

例えば腰が痛いからと言って、腰を直接揉むとか動かすとか、そういうことはやりません。

 

そういえば、骨折後なども、患部を動かしたり触れたりせずに(ギプスしたままでも大丈夫です)ケアできますので、ご相談ください。

 

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「骨盤を立てる」の謎。

こんにちは。TEI-ZAN操体医科学研究所の畠山裕美です。

 

操体実践者が必ずやる(というかこれを知らなかったらモグリだろう)というのが

「般若身経」(「心」ではない)です。

これは、操体実践者ならば普通に使う用語です。

操体創始者橋本敬三先生が、この世の真理を説いた「般若身経」になぞらえて、ご本人はユーモアのつもりで命名したようですが、「心」と、勘違いして、怒った方もいたようです。

特に関西地方で誤った伝わり方をしたようで、関西地方では「般若身経」といいう言い方を避けるところもあるようです。

 

また、スペイン在住の方に聞いたところ「はんにゃしんぎょう」と、音は同じなので、

スペインの方は、操体は仏教?みたいな勘違いをしていた方もいました。

 

ちなみに「般若心経」は英語で Heart Sutra  と訳されていますので、私は「般若身経」を、海外向けには「SOTAI Body Sutra」だと伝えています。

 

 

 

本題です。

 

最初に、操体で言う「骨盤の前弯と後弯」について説明しますね。

(私のサイトの「用語解説集」から引っ張ってきました。

 

今は「前傾・後傾」というコトが多いのですが、橋本敬三先生の時代は、恥骨を基点にしていたので、「前弯曲・後弯曲」と言います。我々は橋本敬三先生にならって、そのまま使っています。

たまに、受講生の中でもずっと勘違いしていたという人もいるので、これについては、講習のはじめにこの図を使って説明しています。

 

骨盤の前弯曲と後弯曲。最近の「前傾・後傾」とは逆です。

 

これは、橋本敬三医師が用いていた用語である。
(大正10年に医師免許取得)。恥骨を中心に考えている。

前弯曲というのは、恥骨が前方に移動し、腰椎の反りが減っている状態、後弯曲というのは、恥骨が後方に移動し、腰椎の反りが強くなっている状態を指す。

現在では、腰椎の前弯曲、後弯曲、あるいは骨盤の前傾、後傾(こうけい)と言う事が多い。
骨盤の前傾、後傾は、腸骨棘を基本にしているので、前傾、後傾とは逆になることに注意していただきたい。

 

ちなみに、操体をやる場合、操者は「骨盤が反らせません」「座骨を立てたりはしません」。つまり、腰を反らせて出っ尻でやるのはNGです。

 

操者(臨床家)です。

患者さんは関係なし。

また、私はアマチュアの方にはここまで求めません。

 

なぜNGか。患者さんの動きについていけない、身体を操体的に操れない、上達が遅いなどのデメリットがあります。

 

つまり、操体の上手い下手は、骨盤の使い方に関わってくるということです。

 

 

さてさて、私は曹洞宗で在家得度(出家得度ではありません)した在家の仏弟子です。

曹洞宗なので、坐禅もやります。

 

その時にとっても不思議だなと思うことがあります。

どなたか、坐禅の専門家で詳しい方がいたら教えていただきたいのです。

 

というのは、坐禅に行くと「骨盤を立てる」とか、そのような指導を受けることが多いのですが、道元禅師の普勧坐禅儀などを読むと

www.soto-kinki.net

 

すなわち正身端坐(しょうしんたんざ)して、左に側(そばだ)ち、右に傾き、前に躬(くぐま)り、後(しりえ)に仰ぐことを得ざれ。
耳と肩と対し、鼻と臍(ほぞ)と対せしめんことを要す。
舌、上の顎(あぎと)に掛けて、唇齒(しんし)相著(あいつ)け、目は、すべからく常に開くべし。

 

と、書いてあります。正身端坐とはありますが、骨盤を立てろとは書いてないわけですよ。

 

いつから、誰から「骨盤を立てる」という指導が入ったか、ということです。

 

で、もう少し気になるのは、

日本的なスポーツや伝統芸能は、柔道もそうですが、腰は反らせない(骨盤を立てない)んです。

一方、西洋的なものは腰を反らせますよね。

三浦先生から聞いた話だと、アマレス選手が柔道をやって、受け身の際に反り腰で受けて怪我をしたという人がいたそうです。

レスリングは腰を反らせるというのはわかります。

 

ざっくりわけて、和風は骨を反らさない(我々の言い方だと「骨盤の前弯曲」)、洋風は骨盤を立てる(反らせる)となりそうです。

 

★以前、スペイン在住の方に聞いたところ、あちらの方は、ヒップアップ、つまり骨盤が後弯曲(前傾)していて、椎間板ヘルニア持ちは四割くらいだそうです。元々反り腰の皆さんなんですね。

 

そして、確かに仏教というか坐禅は元々はヨガなので、インド発祥、中国を経由して、

日本に渡来したわけですが、経由地中国はと言えば、

 

わたくし、太極拳を習っていました(先生は後に日本チャンピオンになった方です)。

その時は23、4歳くらいでしたが、いつも先生に「お尻を出さない!」と叱られていました。

 

 

なお、この時よく訓練したのが、壁にかかと、ふくらはぎ、お尻肩甲骨、後頭部をつけて立ち、腰から背中の隙間が壁につくように、骨盤を調整するのです。

やってみるとわかりますが、膝の力を少しゆるめないと、この姿勢はとれません。

 

そうなんです。この姿勢、背筋はまっすぐ伸びますが、腰椎も反らせず、骨盤も反らせずに、膝のちからを軽く抜く。

 

足は腰幅、つま先と踵は平行に。背筋は軽く伸ばして目線は正面の一点に据え、膝の力をホッと抜く。。。

これは我らが「般若身経」の「自然体立位」ですが、太極拳の「起勢」にも通じますし何よりも「含胸抜背トレーニング?」にも通じます。

 

 

この問題は引き続き。。

 

 

 

 

 

 

アーガイル。キングスマン好きならば。

こんにちは。TEI-ZAN操体医科学研究所の畠山裕美です。

 

今年に入ってやっと映画を映画館で観る余裕がでてきました。

(映画館で一人で映画に没入するのが私のストレス解消法です)

 

eiga.com

 

argylle-movie.jp

 

【「キングスマン」に衝撃を受けた人は全員観るべき】と、あれば、見ないわけにはいかないでしょうって。

 

ストーリーはここでは書きませんが、期待を裏切らないことはお約束しますよ!

 

また、このアーガイル柄のキャットキャリーに猫さんが入っていますが、

 

「スパイものと猫」(そして監督は「キングスマン」のマシュー・ヴォーンさん)で、

私がそそられないわけがないのです。

 

 

日比谷のTOHOシネマズで目撃!

これは「ボーはおそれている」を観た時に目撃したのでした。

 

観てから一週間経ったのですが、何だかもう一度観たい病が発病したようです。

 

そしてエンドロールに流れるのは、ナイル・ロジャースボーイ・ジョージ(これだけでも凄い)と、本作にエージェントのキーラ役で登場のアリアナ・デポーズのこれ。

 

ナイル・ロジャースっぽくて凄くいい(The Power StationとかDuranも好き)。そしてボーイ・ジョージが健在で嬉しいところです。

 

そして、最後に、若き日のアーガイル(演ずるのはこれまた美形のルイス・パートリッジ)がKINGSMANというパブを訪れる、というシーンが(KINGSMANというパブだけでもコーフンですが)。。。ちなみに続編はルイス・パートリッジが、ヘンリー・カヴィルの若き日を演ずるわけだな。。。

これだけでも、ご飯が5杯くらい食べられますね!

 

しかしながら「キングスマン」の、エグジーの活躍も見たい(皇女と結婚したので、行く行くは女王のダンナ様?!)ところです。

 

 

www.youtube.com

最近のヘビロテです。

 

 

奈良平安!

こんにちは。TEI-ZAN操体医科学研究所の畠山裕美です。

 

「光る君へ」は、しっかり見ている私です。

 

これを機会に「源氏物語」(ダイジェストでもいいから)読む人が増えるといいなと思います。

「鎌倉殿」でも政子と大姫が読んでたし、「大奥」でも家光が読んでましたね。

 

私は浮世絵が好きなので、原宿の太田記念美術館に行ったりしますが、「源氏物語になぞらえた」ものが結構出て来ます。

 

「源氏」のエピソードを知っていると「なるほど」って思うし。

 

で「夜職」の「源氏名」も、出どころは「源氏物語」です。

 

すごいな源氏物語。。。

 

大河ですが、

 

史実と違う!とか言ってる人もいるみたいですが、そんなつまらんことを言わんでください(笑)。

 

そのうち、私が最近推している一条天皇も出てきますよ。

藤原実資も安倍清明(はるあきら)もいいですね。

 

道隆と伊周(これちか)を「相関図」で見て

「うっ!いずぽやと菊様だ!」と、心の中で叫んだ私です。

兄弟じゃなくて今度は親子か。。。失礼しました。

 

 

今回は「何が優雅でぽんやりした平安時代の話だ~っ」というくらい、凄いですね。

鎌倉殿の義時が闇落ち、家康もタヌキ落ちしたように、道長も権力にまみれたオヤジに闇落ちするのでしょうか。。。

 

さて、先日は「直秀退場」でした。

あれで「ええええええっ」と叫んだ人は多いかと思います。

個人的には、後半の「石山寺」の「偶然にも直秀生き写しの坊さん」とかで再登場して欲しいと切に願っております。

 

 

ちなみに直秀役の毎熊克哉さん、東京フィルムセンタースクールオブアート専門学校の出身だそうですが、これ、西葛西でうちの近所です。

 

うちに治療にいらっしゃる方、ここの学校の前通りますよ(笑)

通り道ですよ。あの、壁に「キル・ビル」のユマ・サーマンとか書いてあるところ。

ということは、毎熊さんはあそこの手前のコンビニとか絶対行ったな(笑)。

 

話は変わりますが、歴史って大好きです。

奈良平安鎌倉あたりも大好きです。

 

思い起こせば梅原猛さんの「隠された十字架」を読んだのが中学2年の頃だった気がします。

 

中3の時の修学旅行(奈良京都)の法隆寺は勿論大コーフンでした。多分三十三間堂とか、興福寺で阿修羅像を見てウハウハしていたのは私くらいだったかもしれません。

 

その後の「阿修羅展」はトーハクに2回行き、キューハクでも1回見て、最後は興福寺の新しい展示会場に行きました。

前も書いたことがありますが、私の最も推しの仏像は、興福寺の「薬上・薬王」の兄弟の菩薩像です。興福寺に行った時、係の方に聞いてみたところ、丁度非公開時期でこの時は会えませんでしたけど。。づいません、マニアですね。

 

寺と仏像は小学生の頃から好きだったんです。

 

 

長じて「日出処の天子」で、蘇我氏や仏教伝来、聖徳太子関係の知識に磨きをかけ(血縁関係までアタマに入っている)たというわけです。。。

 

 

なお、私の同級生には「ベルサイユのばら」で、フランス革命マニアになったというのもいましたし、「あさきゆめみし

 

で、源氏物語に目覚めたというのもいました。

 

私ですが、最近のお勧めはまず「阿・吽」。

若き空海最澄のお話ですが、おかざき真里先生のインタビューで、空海のイメージソング?がQueenの『Don't Stop Me Now』とTHE BLUE HEARTSの『情熱の薔薇』なんだそうです。

なるほど~。

 

そして最澄のイメージソングが、Stingの『Englishman in New York』。

なるほど~!と感心しました。

https://magazine.comici.jp/episodes/dd70b96394573

https://magazine.comici.jp/episodes/1100a015ed931

この二人、お経の貸し借りで決別したと言われていますが、実は向いている方向が少し違っただけなんだと思います。

密教好きなら是非どうぞ。また、嵯峨天皇とか薬子の乱とか、非常に勉強になります。

 

空海最澄の心模様を絵で表現しているシーンは見ものです。

 

そして「応天の門」。ヤング菅原道真と、天下の色男、在原業平が登場する平安探偵もの?です。

 

 

 

 

 

第一分析と第二分析の間にある「D1'」の講習やります。

こんにちは。TEI-ZAN操体医科学研究所の畠山裕美です。

 

そもそもですが、第一分析、第二分析という分析法の区別をしているのは、操体法東京研究会のみです。

 

もし、操体法東京研究会メンバー以外で「第二分析」とか「第三分析」とか「渦状波®」とか言っていたら、それは「?」だと思ってくださいね。

 

その昔、三浦先生の本を読んだだけで、関西でプロ向けの操体セミナーをやっていた、治療家でもなんでもない人がいて、驚愕したことがありましたが。。。

 

操体法は、誰に習ったかというのもかなり大事です。

簡単にやろうと思えば(秘伝の部分を知らなかったりすれば)、単に「操法のやり方」を何種類かやって終わりにできますので。。。。

 

それはさておき、D1'とは、私(畠山裕美)が命名したものです。

第二分析のメリット(快適感覚のききわけ)と、第一分析のテクニック的なすごさ(スピードなど)を、実際の臨床の上で「使いやすく」したものです。

 

操体は時間がかかる」という人がいますが、それは違います。

もともとスピーディにやっていたのが操体です。スピーディにできたのは「楽かつらいか」の運動分析を行っていたから。

「快をききわける」(つまり第二分析)に進化した際(感覚分析)、あえて「ゆっくり動きを表現して、感覚をききわける時間を作った」のです。

「感覚分析」になったので、敢えて時間をかけているのです。

実際、本当に質の高い「からだが要求してくるような快」を味わうと、数分、いや数十分味わっている人もいますし、こういう快を味わっていると、瞬間脱力はできないのです(快適感覚が消えたり落ちついたりすると、からだはゆっくり自然に脱力してきます)。

 

このD1'、たまに講座をやっていましたが、結論を言うと、やはり「第一分析、第二分析の違いは理解していて欲しい」ところがあるのと、最低でも「施術+ベーシック講習」を受講しているとか、操体法東京研究会で勉強しているとか、それくらいの基礎がないと、伝えたくとも伝えられないことがわかったのです(汗)

 

★ちなみに、三浦寛先生の「操体法東京研究会」での指導内容とは被りません。

 

というわけで「D1'」の講習をやろうと思っていますが、

・「施術+ベーシック講習」受講済の方で専業者

操体法東京研究会で勉強したことがある ※1

・一般社団法人日本操体指導者協会メンバー ※2

向けに、個人レッスン方式で「D1'」の講習をやります。

 

特に※1、※2は、私自身もD1'をとっても伝授したいので、相談に乗ります。

 

なおなお、2024年4月29日の「春季東京操体フォーラム」、畠山も登壇、実技を多めにやろうと考えています。D1'もいくつかやろうと思っています。

 

 

 

2024年春季プログラム | 2024年春季東京操体フォーラム | Tokyo Sotai Forum

www.tokyo-sotai.com

 

 

 

 

操体法大辞典、の対象読者について。

こんにちは。

TEI-ZAN操体医科学研究所の畠山裕美です。

 

操体ではきもちよさを探さない」ではない

操体では、楽な方に気持ちよく」ではない

操体では楽と快を混同しないよ」と、書き続けていますが、1番の対象者は

操体を他者に指導、施術する皆さん(あるいはプロになりたい)」です。

 

橋本敬三先生は、患者さんには

操体は簡単だヨ」と仰っていましたが、弟子達には

「よくもこんな大変なことに足を突っ込んだな。でも操体は面白いぞ。一生たのしめるからな」

と、仰っていたと私の師匠の三浦寛先生から聞いています。

 

私は後者、つまり操体を学び、操体のプロになりたい、施術者になりたいという人に向けて、このブログを書いているつもりです。

 

なので、操体初心者の方などからは「難しい」と言われることもありますが、すいません。プロ向けに書いてます。

 

もし、もっとわかりやすく、というのでしたら、私の「施術+ベーシック講習」に

来ていたければ、ご説明いたします。

 

★施術を受けられて、なおかつセルフケアの講習がパッケージになっています。

www.teizan.com

施術+ベーシック講習 | 操体法の講習 | 操体法 TEI-ZAN操体医科学研究所

 

橋本敬三先生は、何故患者さんには「簡単」とおっしゃったのか。

 

操体法東京研究会の講習に参加サブ講師をさせて頂いてから20年以上経ちますが、操体の操者は、かなりのマルチタスクを要求されます。

 

前提条件として

・診断あるいはチェック、カウンセリング(視診・息診等)

・実際に被験者・クライアントのからだに触れての触診

を行い、被験者の愁訴を確認します。なかには、被験者が訴えている場所とは異なったところが原因(火元)だったりすることも多々あります。

 

その「火元」を見分けられるようにするのも、操体実践者の勉強です。

我々が何年もかけて学ぶのは、操法よりもこちらなのです。

 

操体の治療を「火元・火種を消す」ということがありますが、これを説明すると、

火事になって、火災報知器が鳴ります。愁訴がある箇所ばかりを気にして、例えば痛みのある腰や膝や首を色々いじくり回すのは、火災報知器のサイレンに水をかけているようなもので、肝心の火元や火種を消していないということです。

水をかけ続ければ、火災報知器もいずれはぶっ壊れます。。

からだも同じで、痛みや愁訴を訴えているところを、我々手技療法の治療家がむやみやたらにいじっても壊すことになりかねません。

 

次に、実際の施術・操法です。

 

・からだの使い方、動かし方

・介助法、補助法、導誘法など

・患者(被験者)のみならず、操者もからだを操る【この辺りは武術の修行並み】

・言葉の誘導(患者・被験者・クライアントは、操者の言葉通りにからだを操ります)

・患者・被験者・クライアント本人とではなく「からだ」と対話する方法(実はこれがかなり大事です)

・患者・クライアント本人との対話法(中には聞かずに全部お見通しの先生もいらっしゃいますが、基本的にクライアントは自分の愁訴を訴えたいことが多々あるので、私はしっかり聞きます)

 

こんな感じです。

 

なお、クライアント、患者様は、今の辛さ、今の状態から一刻も早くよくなりたい、と願っています。

我々は、それに対して色々トライするわけですが、クライアントや患者様にいちいち操体の小難しい理論を説明することはありません。

 

なぜならば、あまり難しいオーダーや問いかけは、時にクライアントや患者様にとっては苦痛になるからです。

 

三浦先生の臨床を見せて頂いても、私自身もそうですが、患者様、クライアントには、難しいオーダーはしませんし、しつこく聞いたりしません。

患者様/クライアントの負担は最小限

操者は視えないところで、操体の理論をフル活用

 

となるのです。

 

以前「操体は色々しつこく聞かれるから(きもちよくないのに、きもちいいかって聞かれると腹が立つのよね。こっちは痛いから来てるのに、という人もいました)嫌い」という人がいました。

 

そうなんですよ。痛くて来ているのに、きもちよくもないのに「きもちいいですか」とか聞かれるのは苦痛でもあるんです。

(きもちよくないのに、きもちいいですか、と聞かれると「きもちよさを探す」方にいっちゃったり、自分はきもちよさがわからないので、操体を受ける資格がないのか、と落ち込む方もいらっしゃいます)

 

そんなことをカバーして、患者様・クライアントには最小の負担で操体をうけていただくんです。

 

橋本敬三先生が、患者さんには「操体は簡単だヨ」とおっしゃり、弟子には

「よくもこんな大変なことに足を突っ込んだな。でも操体は面白いぞ.一生楽しめるからな」と仰ったのは、こういうことなんだなと感じます。

 

なので、操体臨床家や、指導者を目指す方は「操体って簡単だヨ」という「対患者様・クライアント向け」の言葉だけを見てはいけません。

 

その後の

「よくもこんな大変なことに足を突っ込んだな」というのが、操体のプロの道です。

 

ただ「操体は面白いぞ.一生楽しめるからな」というのは本当だと思います。

 

人生の半分以上操体をやってますが、確かにその通りです。