操体法大辞典

操体の専門家による、操体の最新情報など

2023年春季東京操体フォーラム

2023年春季東京操体フォーラムは、オンライン開催致します。

 

2023年春季フォーラム | Tokyo Sotai Forum

www.tokyo-sotai.com

 

テーマは「健康寿命につながる健康学」。

健康寿命」とは、「健康上の問題によって日常生活が制限されることなく生活できる期間のこと」です。

 

寝たきりや要介護状態ではない、ということですね。

寿命は伸びているけれど、健康寿命はどうなんだろう。

 

今、ビジネスなどでバリバリに活動している人は沢山いらっしゃいますが、ビジネスに関する知識は凄いのに、健康や健康寿命に関することは全く知らないという人が多いのは、事実です。

 

社長(オーナー)が、健康であることも、企業存続の大事なポイントです。

 

そして、何故かクラゲ。。。おたのしみに。

 

ちゅら海水族館のクラゲ。





 

ネコの掟。猫と高齢者の一人暮らしを考える

久しぶりに、読書日記をば。

「織田シナモン信長」の目黒川うなさんの新作です。

これがまた、新ジャンルというか、ネコと介護マンガです。

ネコの掟、というのは

  • ネコ同士の会話を人間に聞かれてはいけない
  • 人間の言葉で喋っていることを知られてはいけない
  • 二足歩行の姿を人間に見られてはいけない

というものです。

3匹のネコ達は、一人暮らしの82歳のばーちゃんと一緒に住んでいますが、おばあちゃんが庭で転倒して怪我をしてしまいます。

 

そこでネコ達が掟を破って救急車を呼ぶとか(ネコ達が泣きながら「ばあちゃんを助けて下さい」って電話するシーンなんか読んでる方も泣けちゃう)、ケアマネにホームへの入所をすすめられて阻止しようとするとか、ネコたちが帰ってこないので、探しにいったおばあちゃんが徘徊老人と間違えられてショックを受けるとか、これからやってくるであろう、一人暮らしの老人とペットという問題も扱っています。

 

続きはどうなるんだろう。。。

 

 

めまいと操体。

めまいに悩まされている方は多いようです。

また、めまいの原因は色々あるようですね。

 

私が昔聞いた話では、昭和のモーレツサラリーマン(すでに死語の世界)が、ある日突然「視界が回る」という状況になり、病院に行ったところ

1週間寝てなさい、と言われたそうです。眠れなかったら睡眠薬を飲んでも寝てなさいと(昭和の話です。念のため)。

言われたとおり、1週間寝ていたら、治ったそうです。仕事しすぎだったのかもしれません。

 

橋本敬三先生の「万病を治せる妙療法」にボディの歪みによるめまいについての操法が紹介されています。

こちらはからだの歪みからくるめまいです。

イラスト下部には、操法が紹介されていますが、

「万病を治せる妙療法」より


正座させて、まず右肘を軽くわき腹につけ、右手の甲を見させながら腕全体を
徐々に上外方にのばさせる。術者は手首を押さえて多少の抵抗を与えてやる。
このとき、首と腕の協同巡動は歪みを登復するので、腕がのぴきったところで
急に脱力させてひじをストンと落とさせると、局所の圧痛はとれ、メマイは即
治する。

と、あります。ちなみに、私達は現在瞬間急速脱力はほとんどやりません。が、

「右上肢を内旋させ、肘を脇腹につけさせ、目線を右手の甲につけさせる。操者は、被験者のて内旋させた手掌手背(手首ではない)に介助を与えながら、上上方にゆっくりと伸展させる」というのであれば、やります。

 

いずれにせよ、ここに書いてあるやり方は、かなり難易度が高い(操者がどのように被験者の手首を保持するとか、外上方ってどっちだとか)と思います。

また、操者が手首だけ保持してもやりにくいだろうなとか。。。

 

 

それはさておき、私自身、めまいの経験は皆無に等しかったのですが、先日ついに

衝撃の「めまい」体験をしました。

 

普通は、立ち上がった時とかに「くらっ」とくるのを思い浮かべると思いますが、私の場合、横になると目が回るのです。

これはどうやら「良性発作性頭位めまい症」かもよ。。。

(耳石が剥がれ落ちて三半規管に入り込む。頭を動かすめまい体操などで対処)

というわけで、こういう時は「転んでもタダでは起きない」というのが操体実践者(臨床家)。

 

三浦先生に治療をお願いしました。

 

仰向けになった時、やはり「ぐるぐる」「ふわ~っ」的な感じでしたが、終わった後、何度かからだを起こした状態から仰向けになってみましたが、「ぐるぐる感」はおさまっていました。引き続き様子見&加療になると思います。

 

 

花粉症とツボ。

今から30年以上前くらいは「ホールインワンテクニック」(と呼ばれるものが)が流行りました。

仙骨で万病をなおす」とか「頸椎1番の調整で全身が整う」とか、1カ所をアプローチすれば、全部効いちゃう、というヤツですね。

 

当時はこういうのが多かったんですが、一時誇大広告とか、人間のからだの汚染?が進んだせいか、1カ所にアプローチしたくらいでは、なかなか的なことになり、さらに90年代後半は、精神的な疾患が増えたりしました。

つまり、症状疾患の複雑化です。

操体もそれに応じて進化しました)

 

ところが、最近誇大広告なのか「これだけやれば○○に効く」的な広告が増えてきたような気がします。

こういう風潮は巡るんだろうな、と思います。

 

 

知りあいに会ったところ、ハナミズとクシャミの嵐で辛そうです。

勿論薬は飲んでいるとのこと。

 

ネットで調べてツボを押しているんだけど、効かないんだよね。

 

へえ。

 

どのツボかな?と、聞いてみると「合谷」。

合谷(ごうこく)というのは、メジャーなツボ(経穴)です。

 

どこを押してるのかな?と、見せてもらうと、

アラ残念!ちょっとそこじゃないんだよね。

 

というわけで、ちょっと失礼して

「ここです」。

 

「あれ?ハナが一瞬通ってすっきりした!」

「押された感じが全然違う!」

 

どこが違ったかというと、

「押す場所」「角度」が違うのです。

(特殊な爪の切り方もしています)

 

これを「ツボを押すのではなく、効かせる」というのです。

 

ツボ押しよりも、最近はお灸がいいかなと思います。

ツボをねらうよりも、温熱でアプローチした方がポイントにヒットするから。

 

 

ちなみに、操体で花粉症というと、やはりいくつか診るべきポイントがあります。首をゆるめると結構ハナの通りが良くなったり、頭が重いとか、背中がだるいのが消えることもあります。

この季節は「首調整してください」といらっしゃる方も多いですね。

 

 

 

 

 

春ですね。

操体を学ぶのであれば易は嗜んでおいた方が良いと思っています。

八という数字は、操体に縁深いのです。

 

からだの動きは8つある。

しかし古今東西そんなことはどこにも書かれていない。

それを書いて残して後世に伝える。

 

さて、一ヵ月ぶりに、赤坂の豊川稲荷東京別院にご挨拶に行って来ました。

 

みなさん、大岡越前はご存知ですよね。

私なんかは、月曜夜8時にやっていた、加藤剛さんの越前さんを思い出しますが、最近は「大奥」(よしながふみさん原作)で、MEGUMIさんが冨永愛さん演じる(ちょーかっこいい)吉宗公を助ける大岡越前守忠相を演じています。

 

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豊川稲荷東京別院は、別院というように、豊川のご本山から大岡越前守忠相公が、江戸の大岡屋敷内に勧請してきて、それを江戸っ子にも公開しました。大岡屋敷の庭にお祀りした豊川荼枳尼眞天を、月一くらいで「みんなもお参りしていいよ」的な。

これが豊川稲荷東京別院の起源です。なので境内に、大岡忠相公の御廟もあります。

そして今回新しいおみくじを見つけました。

「きつねみくじ」です。

 

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お稲荷さんと荼枳尼天、荼枳尼眞天(豊川の荼枳尼天さんは、荼枳尼眞天といいます。一般的に荼枳尼天は、白狐に乗って剣を担いでいらっしゃいますが、豊川の荼枳尼眞天は、白狐に乗って稲穂を担いでいらっしゃいます。お稲荷さんとウカノミタマノカミと荼枳尼天信仰が混ざり合い、ややこしくなっています)。

神仏習合だったものを、無理矢理分けるなんてことをするからです。

 

それはさておき、きつねは、荼枳尼天の眷属(ご家来衆)。

なので、お寺なのに「稲荷」という通称で通っています。

小さい神社と仏殿が混在していますが、

ここ、お寺なので、柏手ではなく合掌です。(豊川水神社とか神社もあるけど)。

元々お寺の中に神社あるってフツーだったんですよ。「廃仏毀釈」の本とか読むと、維新時にどんだけ仏教が迫害されたかわかります。

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仏門修行。

土日にかけて、東京国際仏教塾の専門課程で、修行に参加してきました。

 

2017年に参加、同年後半に曹洞宗の専門課程を終えて、在家得度しました。

その後毎年曹洞宗の修行のお手伝いに行ったりしていましたが(千葉県大佐倉の、千葉氏ゆかりのお寺、勝胤寺)、曹洞宗を指導してくださっていた中野東禅先生が引退され、曹洞宗の修行の場が、京都に移ったので、お手伝いにも参加していませんでしたが、私が好きな豊川稲荷さんとかを深く学ぶには真言宗も勉強しようと思って今回参加しました。

 

真言宗で得度する気満々の皆さんに混じっての「なんちゃって修行」ですいません。

 

しかし、宗派を跨いで勉強すると、違いがよくわかります。

東京国際仏教塾は、超宗派の団体なので、仏教全体を学ぶことが出来ます。

 

一昨日は、仏教塾の先輩で、四度加行(しどけぎょう)、伝法灌頂を終えた方の護摩供養に参加しました。

 

私はカメラ担当を仰せつかっているので、愛機を担いで行きましたが、カメラやってて、護摩供養の撮影(それも許可つき)ができるなんて、そんなチャンスは滅多にありません。

 

そして昨日は「虚空蔵求聞持法」を実際にやったという先生がいらっしゃり、体験談を聞くことができました。

勿論有名なものなので、皆名前は知っているのですが、実際、あんまりやる人はいないようです。

非常に興味深いお話を伺うことができました。

 

写真は地蔵院の大住職、根岸先生。

 

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操体を学ぶにあたって大事なこと

私が言ってるのは「操体実践者」に対してであり、操体を受けたいという方は「前知識は不要」「真っ白」な状態で来て頂ければと思っています。

 

受ける方は、真っ白でいい。簡単ダヨ。操者がしっかり指導するから

指導する方は、しっかり勉強ね。難しいヨ。ヒトの感覚に介入するんだから。

 

これは、橋本敬三先生が、患者さんには「操体って簡単ダヨ」とおっしゃったのに、弟子には「難しいぞ」と言ったのと同じです。

 

操体指導者は、勉強が必要です。それを、橋本敬三先生が患者さんに言った「簡単ダヨ」という言葉を鵜吞みにして「指導も簡単なんだ」と勘違いしている人が多いのだと思います。

★また「私はプロじゃないから」とか「お金をもらっていないから」というのは言い訳です。プロじゃなくてもちゃんと勉強してから人様に提供してください。

 

言葉のチカラをコトダマと言います。

 

私の講習に参加、あるいは三浦先生の講習にして下さった方はご存知だと思いますが、

「楽と快の違い」ということをインプットして頂きます。

これが入っていれば、後は大丈夫だからです。

 

逆に言えば、操体指導や臨床は、ここがわかっていないと、とんちんかんなことになります。

 

私の「ベーシック講習」を受けて「積年のナゾが解けました」という方が、プロアマ問わずかなりの数にのぼるのも、その理由の一つだと思います。

 

実を言うと、いろんな情報で頭がこんがらがっている治療家よりも、何もしらないけど、操体って面白そう、という人のほうがすんなり納得して下さったりします。

この辺りは「考えるな。観じろ」的な何かを感じます。

 

中には「動くだけできもちいい」という凄いヒトもいますが、大抵のヒトはそうではありません。

困るのは、そういう人が操体の指導者になって「他の人も動けばきもちいいハズだ」と思い込んで操体を指導することです。

そういう方は、間違いなく身体能力が高いのですが、

「自分もできるから、他の人もできるだろう」という、思いこみが激しいのか、自分より身体能力が低い人のことを考えてないのかわかりませんが、きもちよさの押し売りをしてコケます。

 

他者の感覚に介入するのですから「自分ができるから相手もできて当然」なんていう態度は、不親切なのです。

 

私のところには「きもちいいでしょ、って言われたけど、そうじゃなくて困った」という方が頻繁にいらっしゃいます。

こういう指導者の尻拭いはそろそろやめたいのですが。。。

 

 

先日「操体実践者においては」(操体を受ける人は、何の前知識も要りません)

「楽なところを探す」のはペケであると書きました。

考えてみると

「痛みから逃げる」というのは、橋本敬三先生の時代からあります。

逃避反応とか、圧痛点消去法というものです。

痛みから逃げる→治る道筋

その方向にバック運動(逆モーション)というのが、操体の起源でもあります。

しかしながら、この時代橋本先生も「楽と快の違い」には気がついていなかったのではと思います。というのは、橋本敬三先生が「楽と快は違う」と公の場でおっしゃったのは、90歳になってからのことだからです(その前に三浦先生には話していたそうです。なので、第2分析が誕生した訳ですね)。

 

多分「痛みから逃げる」が「楽なところを探す」(これがまちがって「きもちよさを探す」になったのだろうと推察)になったんだろうなと思います。

 

痛みから逃げる、というのは基本的に、プロの手法です。

 

操体で1番有名な触診と言えば、膝の裏(ひかがみ)ですが、あれとか、逃避反応を見ているんです(だからといってぐりぐりやるのは禁物です)。

「痛みから逃げるようなアプローチ」というのは、本来プロの技です。

橋本敬三先生もプロだから「痛みから逃げる」ようなアプローチができたのです。

そしてこの「痛みから逃げる」「逃避反応」というのは「反応」というように、無意識が関与しています(だから、探すじゃないんです)。

 

ちなみに「逃避反応」と言いますが、逃避反応を起こすアプローチにも上手いヘタがあります。

ヘタなのは、被験者が痛がっているのにずっとぐりぐり触っているとか、アザができるまでやるとか、鈍い痛みがずっと残るとか、私が「生殺し」と言ってるヤツです。

 

理想は「秒殺」です。瞬間的に痛いけど、あとはすっきりしている。

 

操体ではなく、痛い治療法もありますが、上手い先生がやると、一瞬痛いのですが、サワヤカな痛みで、後に残りません。