般若身経、とは「からだのつかいかた」を示したものだ。
橋本敬三先生が「般若心経」をもじって「身」という文字を
使われた。つまり、からだの動かし方、使い方の法則を
まとめたものである。
これに関しては、色々な資料を見てみると、微妙に改訂、改善されていることに気づく。また、書籍によっても微妙に違っているのである。
私の手元には、40年前に刷られた藁半紙の資料のコピーがある。(私の師匠が橋本敬三先生からいただいたものだ)
その次に「誰にもわかる操体法の医学」(農文協)で紹介されているものがあり、「万病を治せる妙療法」があり、「からだの設計にミスはない」(たにぐち書店)がある。この文献それぞれが微妙に違っているのである。
一番最後に出版されている「からだの設計にミスはない」における「身体運動の法則」が一番完成されたものだと思われる。
・立位において、足は腰幅
・膝の力をほっ、と緩める
これが操体における自然体だと示されている。
こうすると、足の親指の付け根に体重がかかり、しっかりと地を踏みしめることができる。
ここから、からだを前屈、後屈、左右捻転、左右側屈という基本の動きを行うわけだ。
・前屈、後屈の場合、体重は足の親指の付け根にかかる。
前屈時はお腹を後に、後屈はお腹を前に
・捻転の場合は、捻るほうの足に体重を移動させ、逆側の踵は軽く浮く。体重を移動させたほうの足は浮かせず、しっかり地を踏む。
・側屈の場合は、右だったらまず、腰が左に軽く動き、体重が左足に移動する。右足の踵は軽く浮く。
このような過程をとる。
単に「体操みたいなもの」と見ずに、運動分析としてみると
・右側屈が辛い
・左捻転が辛い
という方がいらっしゃったら、「左足に体重がかかる動作が
辛いのだな」という「運動分析」が可能になってくる。
これが、操体でいう「動かして診る」ということなのである。