操体法大辞典

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講習日記。寝違い

講習日記



最初に断っておく。被験者は寝違えをしているが、この動診と操法は

「寝違えに効く操法」とか「寝違えに効くテクニック」ではない。





被験者A氏(柔道整復師・鍼灸・指圧師)

一週間前に寝違える

操者:先生



(あ、最近言われるのですが、私が「先生」とか「師匠」と書いたらそれは三浦寛先生の事です)



被験者A氏を椅子に腰掛けさせ、運動分析をさせる。左捻転が辛い。

先生は靴下の上から視診してAさんの靴下を半分脱がせ、左足の内果に触れる。A氏、逃避反応を起こす。痛いらしい。

何人か触診を試す。

「触診してるんだから、遠慮なく触れ」という声が飛ぶ。私も触れたものの、5秒位かかってしまった。(1秒位でできるのがベストであろう。5秒もかかるとは。これは少し恥ずかしい)



何故左足首の内果を触診したのかというのはここでは触れない。

(そういうのを生で、ライブで勉強するのが操体の講習なのだから)



A氏の左足の下に手を差し込み、反対の手で甲に介助を与えながら

「左足の拇趾を巻き込むように床に押し込んで」と、指示を与え、感覚(無意識の動きと感覚)を

ききわけるように促す。A氏は操体の専門家でもあるので勿論感覚の細なききわけをとおすことができる。

一度目。足を巻き込むように押し込んでゆくと、快適感覚をききわけることができたので、そのままとおす。

上半身がきれいに連動してゆく。首に触れていないのだが首の中でクラック音がしたという。

回数の要求があるので、再度試す。今度も快適感覚をききわけることができたので、続ける。気持ちよさに

ゆだねて動きがついてきたが、突然体に激しい動きがついた。(実はこの模様、ビデオに収録した)通常では考えられないような動きである。敢えて言えば、V字腹筋を手を使わずに、足を開脚したまましているような感じだ。先生とB君が支える。

落ち着いてから首の運動分析をすると「あ!」と驚きの声があがる。可動域も広がり痛みもないという。



「まだまだ」

先生はA氏を椅子に座らせ、同じく左内果に触れる。私からは位地の関係上見えなかったが、多分先程触診したところだと思う。

渦状波で(カジョウハ)である。

「感覚をききわけて」

「左手がびりびりします」

「今触れているところ、外側に向かって渦を巻いてないか?」

「はい、足首から電気が走っていて、渦を巻いているようです・・」

「そこからお尻のあたりまでうねっている感じです・・」

「足首からお尻にかけて、うねうね揉まれているようです」

「下に沈むような・・、右足が痺れてくる感じです」



そこでA氏は「あっ」と小さい声をあげる。

また、からだに動きがついてきたのだ。

先程とは違った動きである。やはり意識して動いている動きではない。

(注意しておくが、誰にでもこのような動きがつくわけではない。念のため)



「お腹がぐるぐる鳴っています・・。首の中で何か音がしました」



2分ほどで動きは収まった。

「落ち着いたら、首を動かしてみろ」

「!」

「ああ、先程と比べたら全然違います」

(B君に合図して)「さっきの内果、診てみろ」

内果の硬結も消えていた。