操体法大辞典

操体の専門家による、操体の最新情報など

全国操体事情

先日、関西で活動しているフォーラムの同門から話を聞いた。



クライアントから『先生、操体何級?』と聞かれたのだそうだ。



勿論同門は『何級』なぞ持っていない。聞いてみると、そのクライアントはある団体の一日講習で『2級』を取得したのだそうだ。



へえ、と思って話を聞く。



講習で、いきなり二人一組で組ませて操法をさせるところもあるらしい。

「へえ」。

最初からそんな難しいことをさせて果たして身に付くのか。最初に基本の『身体運動の法則』とかから始めないのか。。



★私の場合の『身につく』という表現は『臨床で人様のからだを診ることが出来、結果を出して、お金を頂戴できる』ということなので、ハードルが異常に高い(笑)ことはお許し願いたい。



操体には共通の資格やライセンスはない。各団体それぞれである。



橋本敬三先生が『自分は組織の長には鳴らないよ』と言われた事が

いつの間にか『操体は組織を作らない』にすりかわった。



しかし、小さな組織はたくさん出来ている。仙台の温古堂が中心となっている全国操体バランス運動研究会橋本敬三先生のお孫さんが会長)はあるが、毎年大会に参加者が集まるだけで、『会員』がいて、統一見解があるわけではない。つまり、操体の『臨床』部分の追求ではなく、『生活に活かす』活動や、いわゆる『橋本敬三ファンクラブ』の方々が集まって親交を深める場となっている。例えば『橋本先生を偲ぶ会』の開催などだ。なので、『操体の臨床を知りたい』という治療業界の方にとっては、物足りないと思う。

(目的が違うのだから当然と言えば当然なのだが)



私などはどちらかと言えば先輩諸氏に年に一度ご挨拶し、親睦を深めるのが目的である(それはそれで楽しい)。



ところで、操体法東京研究会は色々な先生を輩出している。現在操体の活動をされている方の多くは私の先輩なのである。

東京操体フォーラム顧問の今昭宏先生は勿論のこと、早稲田の石井先生、長野操体の会の白澤氏、連動操体根本良一氏、故渡辺栄三氏、快医学の瓜生良介氏、「操体法と食養」の田村茂兵衛氏、「快気法」の河野智聖氏、奈良の北村氏、滝津弥一郎氏などなどである。それぞれの団体をお持ちの方が殆どである。

(全国大会でよくお目にかかるのは、石井先生、瓜生先生、北村先生だ)



その割にはお互いの団体の交流がないのは少し残念な気もする。

地方色あるいは個性豊かな?団体が沢山あるのも一つの趣向かもしれないが、やはり中心軸やスタンダードは欲しいところである。



何故交流がないかというと、団体間の意識レベルの違いがあるのではないか。勿論、色々な参加関与の仕方があるのだが、団体同士で情報交換の必要もあるのでは?と感じるのだ。



それぞれの団体の特徴があるだろうし、ポリシーも違うと思うが、一度交流をすれば『どこが違う』のか、よくわかる。分かればわかったで、お付き合いの方法もあろうというものではないか。

それをお付き合いもなしにお互い『うざったいなぁ』と気にしつつも横目で見ているのは何だか勿体なくないだろうか?



まあ、このように色々な温度差がある。温度差が悪いっていうんじゃないんですが、他の団体と交流して『ちがい』をお互いしてお付き合いしていきましょうよ、ということなのだ。



どこか他の操体の団体で『交流しましょう』というところがあれば、お知らせ下さい。