操体法大辞典

操体の専門家による、操体の最新情報など

操体の全国大会@新潟 その2

そういえば、ポルトガルでの操体セミナーについて、
私もいくつか質問があったのですが、

 

ポルトガルのセミナーの後だけ
時間が差し迫っているということで、
質疑応答の時間をカットされました。

 

その次のプログラムでは、
時間が押しているにも関わらず、
質疑応答の時間があったんですが。

 

私は以前も
ある操体のセミナーでも、
講師の先生のおっしゃることに
操体理論的矛盾があったので
質問しようと思ったのですが、
司会者に見事に無視されたことがあります。

 

まあ、鬼のようにメモをとっていたので
司会の方は「こやつを指すのはまずい」
というのもあったかもしれません。

 

また、同行したグレゴリー・ローゼン君ですが
今回当然アメリカ人というか白人男性の参加は彼一人。



普段はこのような場に行くと、
大抵は話しかけられるそうなのですが、 
今回の新潟大会では

「誰にも話しかけられなかったこんなの初めて」
とのことでした。

 

多分、三浦先生と私の間に座っていたからかも(笑)


 

さて、
その他のプログラムですが、
良寛さんの健康法」という講義でした。
これは櫻井浩治先生という医師で歌人の方がお話して
下さったのですが、良寛さんが実は
結構な持病持ちだったとか(インキンとか捻挫とか16種くらい)
キレイ好きだったとか、
なかなか面白い話を聞きました。

 

私は昼休みに外に行っていたので
聞いていないのですが、
温古堂にて修業した人達の話があったそうです。

 

配布された資料を見ましたが、

そこには昭和51年以降(1976年)のことが
書かれていました。

 

三浦先生が橋本先生のところに弟子入りしたのは
1966年か67年(昭和41年か2年)あたりの話です。

 

その時代の話は書いてありませんでした。

 

その資料を書いた方は、

別の機会でも、三浦先生が温古堂にいた時期や
期間を間違えていたので、
記憶違いなのかもしれません。

 

 

そして、先のブログにも書きましたが
若手の発表がありました。

操体の今後についてです。

現在の全国大会の参加者の高齢化は、
操体をやっていて元気で長生きということにも
繋がりますが、
若い人が増えていません。


これについて若手の発表者が
「経済性」ということについて話していました。



前回「若手50代」という話を聞いて驚いたと書きましたが
50代というのは、まだ子どもが学校に行っていて、
「ボランティアする余裕がない」とのこと。

 

そもそも操体を「ボランティア」で捉えているのです。

 

若手の発表者(35歳で五歳の子どもがいる
柔道整復師)は、
「子どもの教育や家庭のためにはやはり『経済性』が
必要」と言っていましたが、当然です。

 

30代なんていうのは、結婚して子どもが
産まれて、多忙でありなおかつお金がかかる
時期なのです。

 

 

そういう時に、幾ら柔道整復師だからと
ボランティアで操体をやって欲しいというのは
無理難題です。

 

となると、引退して子育ても一段落して
経済的にもいくらか余裕のある60代とか70代が
ボランティアやサークル活動でやる、
ということになります。

 

何度も書きますが、

操体のプロは対価を頂くことができるということ、
それに値するだけの価値があるということ、

それには、プロとしての教育が必要であることを
言いたいのです。

 

例えば、1回ワンコインの講習を月イチで受けるのと

月4回の専門的な講習を、プロフェッショナルの
先達から指導を受ける。

 

勿論、余裕ある60代70代が、
健康維持増進のためにワンコインで
学ぶのはいいことだと思いますが、

 

「間に合っていない人を
間に合っている状態までサポートし、
自力自療が叶うようにするという勉強をする。

 

どちらが良い悪いというわけではなく、
どちらもあっていいはずなのです。

 

 

私は健康体操・養生法としての操体を否定していません。
何故なら、セルフケアには必要だから



そして、健康の度合いが低い方々が
自力自療が叶うようになるまでサポートする
操体のプロ・専門家」つまり操体の臨床家の
存在も必要であると言っているのです。

 

アマチュアと年配で余裕のあるボランティアにのみ頼り、
操体の臨床家が育たなければ、
操体は風化します。

 

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 夜は新潟のお寿司を堪能。