私は現在、易の修業中である。
断易(筮竹を使うモノ)と、断易(五行易ともいう。
台湾で主流で、八面体サイコロを使ったりする)だ。
学校は、開校が昭和13年。
さて、この歴史ある占いの学校に
あるノンフィクション作家が訪れた。
それが高橋秀実(たかはしひでみね)氏である。
なぜ、高橋氏が占いの学校に現れたのか?
それは「損」という言葉の意味を知るためだ。
高橋氏は、損という言葉の意味を求めて
横浜中華街まで赴くのだが、そこでは「損」の
意味を知ることはできなかった。
そこで、高橋氏は日本易道学校(新大久保)に
向かい、中村三夫先生に会う。
「山があり、そこを小さな沢、つまり川が流れている。
それが『損』です」
これは易の六十四卦の41番目、「山沢損」からきている。
上半分を外卦、下半分を内卦という。
上は陽1本に陰が2本で。山を表す。
下は陰1本に陽が2本で沢を表す
山沢損。
損して得とれ、という時期を示す。
雨などが振り、山は少しづつ削られる。
山自身は損しているのだが、
川は流れて次第に広くなり、
下流に肥沃な大地を作る。
山にとっては『損』でも、
それが周囲を育んでいるということなのだ。
そしてこの山沢損を逆さまにしてみる。
これを「倒卦」という。
相手から見た立場を考えるのだ。
風雷益。
ビッグチャンス到来のとき。
上は陽2本陰1本で風
下は陰2本に陽1本で雷。
つまり、自分にとっての損は、
相手にとっての益だということ。
ちなみに「損」というのは
女性上位のことで、それは「泰」、すなわち
安泰につながる。そして「損」が極まると
「損せずしてこれを益す」という境地になるのだという。
「損」は極まると損しないで「益す」。
自分は損せずして相手に益をもたらす。
損したくないなどと思ってはいけない。
「損」の中にこそ男の生きるべき道があり
そこを着実に歩めば損しない。(高橋氏)
のだそうである。
女性に合わせるふり(損する)をすれば、
安泰につながる。
そして。安泰が極まると
自分が損をせずに相手に益を与えることができる。
なるほどね。
この他にも、
ポイントを貯めるとか
婚活、離婚なかなか興味深い
目次が並んでいる。
読後だが、
損したくないという思いが
損したくないという行動を生み、
結局損してるんじゃない?