操体法大辞典

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易の覚え書き(断易)

「断易」ってあまり聞いたことがないかもしれません。

五行易とも言い、台湾でポピュラーです。日本に入ってきたのは江戸時代後期だそうで、周易(一般に言われている易)よりもずっと後です。
確かにあまりやっている人はいません。

私は幸いにも、日本での断易の第一人者である、東海林秀樹先生に師事しています。

 

「何か習うなら、その道のトップに習え」というのが私のポリシーです。

ちなみに、私が易を習っている学校は日本易道学校と言いますが、創立が昭和13年という歴史ある学校です。

「一日で○○を取得して翌日から人様に喜んでいただける」というような広告もよく私のPCの端っこに出てきますが、ここは、じっくり占いを学べるところです。

場所は新大久保。「当たる」ので有名な「皆中稲荷神社(かいちゅういなりじんじゃ)」の近くです。

 

www.nihon-ekidougakkou.org

さて、昨日は断易の授業でした。

受講生から例題を集めてそれを実際に占ってみる、というのをやりました。

サイコロでもコインでもなんでも構わないのですが、八面体サイコロを使うと便利です。八面体サイコロ一個を六回振るというのもありますし、断易箱(6つの部屋に分かれた箱の一つ一つに八面体サイコロを入れて振る)を使うこともあります。

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★こんな感じです。

 

 これは八面体二個と六面一個の「周易用」ですが、この八面体を使うと思って下さい。

 

まず、占的(せんてき)を決めます。

「ある会合にAさんを呼ぶべきか否か」(Aさんを呼んでトラブルが起こらないか)

2018年8月16日は

戊戌(つちのえいぬ)年 庚申(かのえさる)月、庚辰(かのえたつ)日に占筮。
「空亡」は申酉(さるとり)です。

 

八面体サイコロを六回振ります。出たものを下から書いていきますが、

乾は陽、兌は陰、離は陰、震は陽、巽は陰、坎は陽、艮は陽、坤は陰になります。

(乾兌離震巽坎艮坤は、天沢火雷風水山地を示します)

この場合、乾(老陽)か坤(老陰)が出ると、変爻して之卦が生じますが、今回は乾も坤も出なかったので「不変卦」と言います。

★こんな風にみます

右に書いてあるのが日付け、得たのが「山雷頤(さんらいい)」です。

この場合、周易の六十四卦の形を借りているだけなので、山雷頤の意味を読むことはありません。

 

得卦がわかりましたら「納甲表(なっこうひょう)」を使って、それぞれの爻に、用神と十二支をつけていきます(これを納甲、というそうです)。

右側に「寅木」とありますが、寅は五行で言うと「木」にあたるので、分かりやすく書いているのです。

「兄弟」。これは「けいてい」と読みます。左側には「用神」を振ります。

「用神」の選び方を間違えると、占いの結果もおかしくなります。

ちなみに、赤字で「世」と「応」と書いてあるのは、「世爻」「応爻」を表しており、世爻は自分、応爻は相手、のように見て行きます。

 

なお、月は月建、日は日晨(にっしん)といいますが、月建よりも日晨のほうがパワーが強いと言われています。

 

今回、先生は卦をみるなり「ダメだね。呼ばないほうがいい」とおっしゃいました。

そのココロは??

 

まず、本人を表すのは「世爻」戌土です。

そして日晨、庚辰から世爻戌土をみると(日晨十二運という表でみる)「墓」となります。「長生 帝旺 墓 絶」というランクがありますが、墓は「衰弱する、弱くなる、面白くない」などの意味があります。

更に、相手を示す「応」は子水です。これを日晨の庚辰からみると、これも「墓」になります。

どちらも墓ということで、これはAさんを呼んでも本人はつまらないし良い事はないし、相手も面白くないということです。

 

なお、性情を調べるのに「六神(りくじん)」を使いますが、応爻は初爻で、立筮したのが庚辰の日です。「六神卦爻表」でみると、Aさんは「白虎」です。勇猛、刀、武器などを表し「勇猛にして殺戮を好む神(兌の性情をとる)」。これはわりとざっくりとした見方ではありますが、兌の性情を考えると「ぶりっこ」という一面もありそうです。本当は相当強気でしたたかですが、男性の前では「ぶりっこ」をするのでしょう。

 

と、こんな感じでみていきます。

 

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