操体を学ぶ場合、易は必須だと思っています。別に占筮とかではなく、陰陽の考え方を勉強できるから。
橋本敬三先生は、桜沢如一先生の「無双原理・易」や「実用弁証法」についても書かれていますので、それを追読するのは、後に続く者としての義務でしょう。
9月から毎月、東京操体フォーラム相談役、博多の易者であり、舞踏家であり、中国武術の先生でもある新部健太郎先と、zoomで「実践易占入門」というのをやっています。
こちらでは「乾為天ってどういう意味だよ」という古典解釈というよりも「プロの易者はどうやって占筮するのか」「どうやって得卦を編集解釈するのか」ということをやっています。そのほうが面白いからです。
易の魅力の一つに「テキストを見てもいい」というのがあります。
タロットカードなどは、覚えないと人前で占うのはなかなかですが(タロットをやる占い師が、マニュアルを見ていたらあれ??って思いますよね)、易は「易経」というテキストを見て良いことになっている?ので、見てもいいのです。
というわけで、私が失せ物をした時の易占をご紹介しましょう。
Appleペンシルがない!と気がついたのが昨日。
私はカルテや占筮記録をiPadに記録しているのです。また、最近はProcreateとか、お絵かきにも目覚めてしまったので、Appleペンシルはないと困ります。
自宅と研究室と、三浦先生の講習会場と、ありそうなところを探してみましたが、見つからず。
なので、占筮してみました。こう言うときは、スマホアプリです。
よく、スマホアプリ??なんていう人がいますが、我々は「得卦」をみているのであって、占いの結果をスマホアプリで見ているわけではありません。
サイコロを振ろうが、アプリで出そうが、筮竹をさばこうが、コインを投げようが、卦を得ることが目的です。凄い先生などは、時計を見て出すこともあるそうです。
さて、占筮。
はぎ取る?崩壊?崩落?
って、何だかなあ、というところですが、これ、五爻です(赤字になっている)。
キーワードは「卦自体」のキーワードですが、六つある爻には、それぞれ意味があります。五爻というのは、大抵「いい感じ」のことが多いです。
〈爻辞〉
「魚を貫く。宮人の寵を以てす。利ろしからざるなし」〈読み方〉
うおを つらぬく。きゅうじんの ちょうをもってす。よろしからざるなし。
おーい!
何言ってんの~??
って感じですね。
易の勉強をする人は、岩波文庫とかでこれを見て「わかりませ~ん!」と脱落したりします。
おまけに、古文ってわかりにくいので、「よろしからざるなし。」って、肯定文なのか否定文なのか、迷ったりしますよね。。。
これは「いいに決まってるよね!」と、解釈します。
なお、五爻というのは、六つある初爻(一番下)から上爻(一番上)でみると、ポジション的には社長です。
初爻 ヒラ
二爻 係長
三爻 課長
ここまでが内卦(ないか)です。四爻以上が外卦(がいか)になります。
四爻 部長 及び役員
五爻 社長
上爻 会長
会社と同じように、課長から部長になるのは大変なのです。。。
はい、五爻は「社長」です。一番力があります。
まず、二爻と五爻は、内卦外卦それぞれの真ん中にあります。これは「バランスが良い」という意味です。なので、二爻と五爻は「中を得ている」と言って、大抵は良きことになっています。
さて、先程の「魚を貫く。宮人の寵を以てす。利ろしからざるなし」を、意訳すると
王妃が宮女を目刺しのようにぞろぞろ引き連れて、王の寵愛を受けている。いいに決まってるよね!
という感じです。
これを「失せ物はどこだ?」という問いに答えるために、編集変換するわけです。
★一般書にはここが書かれていないので、皆さん脱落する事が多いんです。。
まず、五爻は外卦なので、家の中ではなく、外にあると見ます。
そして、目刺し?連なっている?どこか連なっているところ??
みたいな感じで考えます。
そして、テキストをみると
おおっ!
実は研究室も何回か探してみたのですが、無かったんですよね。
また、高いところってそんな上に置かないよね。。。
と、そういえば研究室は五階です。高いところだ!で、連なったものと言えば、引き出し?
というわけで、研究室に行って、デスクの引き出しをみると、脇机のキャビネットの「一番上」の引き出しの一番奥に、ペンケースごとはさまっていました。はさまっていたので、引き出しを開けても見えなかったんですね。
ああよかった!
失せ物、私はかなりの回数を易で見つけているのですが、易の神様、ありがとうございます!