私が中一の時だ。同じブロックの端に住んでいた一歳上の女の子が、病苦で自殺したことを知った。
その時聞いたのは「両親がエホバの証人で、○○ちゃん(亡くなった女の子)は、腎臓病だったのに、病院に連れて行かなかったらしい」「病気が辛くて自殺したらしい」という話だった。
自分が知っている人間が自ら命を断ったという経験はこれが初めてだった。
私達はよく、駅前に黙って立っている品の良さそうな「彼ら」をみることがある。
しかし、その実際はよくわからない。
筆者は、生まれた時から両親が信者であった。
読み進めていくうちに、どうやって世間から隔離されていくのか、
子共も学校の七夕や、お正月などの行事には参加できないとか
色々知ることがあった。
親が信者である、いわゆる「二世」の苦しみというのがよく書かれている。
特に「性」に対する教育は「へ??」と思うほど保守的だ。
この辺りは読んで頂くとして、
一番有名なのは、交通事故にあった子どもに対し、親が輸血を拒否し、
子どもが亡くなったという事件だ。
私もよく覚えている。
今回その事件(大ちゃん事件)にも触れているのだが、
分かったのは、親が子どもに輸血を拒否するということは、
「輸血をさせると、自分が地獄に落ちるから」(ハルマゲドンで生き残れないから)、という、親の理由で輸血を拒否したのだ。
怪我をした子どもが「地獄に落ちることを防ぐ」ために輸血を拒否したのではなく、
親自身が「地獄に落ちないため」に輸血を拒否したのである。
これは、多分あまり知られていないのではないかと思う。
自分の意思で入ったのではなく、親の意思でというのは
どうしたものだろう。
私の中学の同級生の仲良しで、某会の子がいた。
中学の修学旅行で、奈良の大仏を見学したが、彼女は見学を拒否した。しかし担任はそれを却下した。
彼女に聞いたところ入信の儀式のような時に、
「教えに背いたり、脱会したら地獄に落ちる」と言われた、と聞いたのを思い出した。
後半の、洗脳が解ける場面、カウンセラーの先生とのやりとりは非常に興味深い。