今回のフォーラムは、操体とは何ぞや、ということを、歴史とその変化を紹介しました。その後、般若身経を参加者に体験していただき、今までのものとの変化を体感していただきました。
上手い下手、どこで分かれるのでしょうか?
上手いとは
- 運動効率、作業効率がいい
- 疲れにくい
- フォームが美しい
- 身心の平静を保つ
ということが挙げられます。
私が重要視しているのは、「フォームが美しい」ことです。
これは、客観的に観てもわかりますし、それこそ「見たまんま」です。ウサイン・ボルトのような特別な例もありますが、フォームの美しさはそのまま上手いに通じるのです。
面白かったのは、骨盤の反りによって「上手い下手」がわかれること。
骨盤が反っていると、感覚が優位ではなくなります。骨盤が反ると、膝の裏すじが伸びて、足の小指側に体重がかかります。
これはどういうことかというと、戦の時、相手を「モノ」として殺害、倒す場合の姿勢です。感覚が優位になると、人を殺したりはできなくなりますから。軍隊の歩行法や、姿勢の作り方は、感覚を鈍くして War Machine を作っているのかもしれません。
逆に、骨盤が反らずに、前弯曲(恥骨が前方に行く)していると、感覚優位になります。操体の基本姿勢はこの「前弯曲」ですが、これは、操体がクライアント、患者様を「モノ」ではなく、一人のイノチとして、愛をもって接することを示しています。
また、「目線」と「視線」の違いがますます明確になりました。
会場で、これを初めて体験する人は、皆「あれ?」と驚いていました。
その後、タスクチームの若手による事例発表。
寝たきりの方が歩けるようになった話、実際の付き添い介護での活用など、興味深い事例が紹介されました。これは、病院などの設備が整ったところではなく、実際の現場の話です。