操体法大辞典

操体の専門家による、操体の最新情報など

腰背部(ようはいぶ)のぎっくりと操体。

7月19日、朝起きたら、背中に痛みが走りました。

エリア的には、骨盤の上と肩甲骨の下です。脊柱起立筋が左右に痛みます。

 

これは、もしや「ぎっくり」したのでは、と少し焦りましたが、午前中は施術会があったので、それは普通に済ませました。

 


今回は、新しいクッション枕と、朝方の低気温と、仕事のしすぎ(笑)ではないかと。また、最近環境的に、右足に体重を掛けて作業することが続いていたので、自分でも「いくら気をつけていてもまずかったかな」というところもありました。つまり自分のチョンボです。

 

午後は、三浦先生の定例講習でしたが、途中で、背中がものすごく痛くなってきました(汗)。しかし、内臓的な痛みではありません。

 

あまりにも私が痛そうにしていたのか、三浦先生が

「ベッドに腰掛けろ」と。

腰掛け位で、第五分析的な動診と操法を二種(動きは同じだが、順番が違う)

その後仰臥で足趾と渦状波(この時は意識が飛ぶ)。


突然痛みが消失するとか、劇的に痛くない、みたいなわけではありません(患部には触っていない)が、痛みのエリアが狭まってきました。左右両方の脊柱起立筋辺りに痛みがあったのが、右側のT11〜L2辺り、右の脊柱起立筋近辺に寄ってきた感じです。

この時点で「ものすごく痛いぞ」のエリアは脱していました。

 

よく「なにもなかったようによくなっている」ような、劇的な改善を期待する方もいますが、筋肉や細胞が痛んでいれば、それらが復活する時間も必要です。

 

操体法の場合、終わった直後よりも、翌日や翌々日に

「あれ?なんか軽いぞ?」ということが多いのです。それは「急激に改善したものは、元に戻るのも早い」ということでもあります。

操体法(第二分析以降)は、遅効性でなおかつ「ながもち」するのです。

第一分析は「速効性があり、戻るのも早い」のです。

 

また、その後、鍼を打って貰いました。

 

私はその時、三浦先生には何も言わなかったのですが、先生の指が右の背中に触れて、痛みの中心辺りでとまり、そこに打って貰った鍼が、響きました。気持ちのいい響きです。

 

(鍼というのは独特の「響く」という感覚があります)

 

「うわ、見つけてくださいましたね???」みたいな感じです(笑)

 

ちなみに、鍼を使わなくても、操体法の施術でも「響き」は得ることもできますが、今回は救急ということで、三浦先生は鍼を打って下さったんです)。

 

なお、三浦先生は鍼灸師でもありますが、私は何度か「救急だ」という時に鍼で助けていただいたことがあります(ハナミズが止まったり、咳が止まったり)。

 

また、猫の真魚君が風邪をひいた時に鍼を打って貰ったり、猫にきびができた時にも打って貰って、良くなったこと、そんなことはよくあります。

(勿論、その後に渦状波)

 

その、打ち方というのは、橋本敬三先生から直伝というヤツです。
いわゆる○○に効くツボに打つ、というのではなく、触診して、数ヶ所にさっと打つ、というやり方です。1分もかかりません。

 

今日は火曜ですが、痛みのエリアは手掌大くらいになっています。
運動制限はあまりありませんが、特定の捻転(右捻転)だと痛みが起こります。左捻転なら大丈夫で、右捻転しても、重心を左足に置けば大丈夫です。

 

一番痛いのは、仰臥位から起き上がる時ですが、ポジションに気をつければ、これも何とかなります。

 

私は操体の臨床家なので、転んでもタダでは起きませんが、こう言うときは、何かしらメッセージがあるのだと考えます。

 

「第五分析を、あらためて体感しなさい」ということではないでしょうか。

 

操体って、自分で治せないの?」という方もいらっしゃいますが、それならば、我々のような「操体専門家」は必要ないですよね。

「自分で治せるほど間に合っていない」時のために、我々がいるのです。

 

また、臨床家が「ケガや病気」をするというのは、「クライアントがどんな気持ちなのか、どんな状態なのか、体験しなさい」ということでもあると思っています。

 

 

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