こんにちは。TEI-ZAN操体医科学研究所の畠山裕美です。
操体では「息食動想」という、人には代わってもらえない四つの営みと、環境のバランスによって健康が成り立つと考えています。
呼吸の専門家もいるし、食養の専門家もいるし、身体運動の専門家もいるし、心の問題の専門家もいます。
ただ、操体ではこの4つは繋がっていて、どれか一つが悪くなると他もつられて悪くなり、どれかが良くなると他もつられて良くなるという性質があると考えており(同時相関相補連動性)、切り離して考えるのではなく、四つまとめて面倒みましょう、と考えているのです。
なお、この4つのバランスが過度に崩れると、ボディに歪みが生じます。
ただ、その中で「動」からだの動きに特にアプローチすることによって、他のはたらきも改善し、バランスを整え、歪みを改善し、二次的に症状疾患を解消するというのが操体の考え方です。
その中でも大事だよね、と思うのが「想」(精神活動)です。
特に大事なのは「言葉」だと考えます。
橋本敬三先生は「言葉は運命のハンドル」とおっしゃっていたそうです。
治りにくい方特有の言葉づかいもあります。
最近読んだのはこの「妄想力」という本です。
仏教では「妄想苦(もうぞうく)」というのは、ないことをあると思ったり、あることをないと思って苦しむ、一番辛いことだと言われています。
例えば、彼が浮気をしていると勘ぐって苦しむとか、逆に愛されているのに、たまたま、彼が空腹時でお腹が空いて機嫌が悪かった(食べればすぐなおる)ので「自分はもう愛されてないんじゃないか、嫌われてるんじゃないか」と悩んだりすることです。
なお、この本でいう「妄想力」というのは、幸福な未来を想像(妄想)するということです。
私も操体の「想」を研究しているので、願望達成とかにはかなり興味があります。
実際、かなりの確率で願望達成が叶っているのですが、叶わない場合もあるわけです。
私が今までで「これは叶った」というのは、
操体の本を商業出版したことです。
その次は「三浦先生と共著で本を出したい」と思っていたところ、今先生も含めて
出すことができました。この辺りは「願望達成」が成就したケースです。
世の中、色々な「願望達成」の本やサイトがありますが、この本が一番的を得ていると思ったので、こちらで紹介いたします。
著者は「願望達成」を実践しまくっているjegさんです。
ちなみに私のクセで「操体だったらどうよ」と考えるのですが、今回「なるほどね」と思ったことがあるので、書いておきましょう。
それは、願望実現の最短ルートということで
①考え方の土台
②テクニック
と、書いていらっしゃることなんです。
①は願望実現のために必要な前提知識のことです。
操体をセルフケアで行う場合(健康で元気でありたいという目標がある)大抵は、②にチャレンジします。
そして大抵は「よくわかんない」とおっしゃってやめる。そんな光景を数多く見てきました。
なお、我々のような操体のプロは、①をマスターしているので、
「最初はプロの手を借りて②をやろう」と言って頂ければ、①②と進むことができます。
操体で①を独学で身につけるには、かなりの勉強が必要ですし、カラダを使った実技ですから、間違えると効果半減になります。
また、残念ですが、世の中に出ている一般向けの操体の本はほぼ②です。
テクニックの説明です。
みなさん「めんどい理論はいいから、とにかく治るテクニックを知りたい」というのはヤマヤマなんですけどね。
センセーショナルなテク本は売れるかもしれません(ちなみに「操体法 生かされし救いの生命観」は、実技が載っているというよりも①をマニアックに書いている上に、値段が高いので、迂闊にヒトサマにお勧めできません汗)。
ただ、②だけだと目標には到達しにくいんです。
先年も、師匠に長年私淑しているという方が見え、実際に本をみてやっているという操体を見せていただきましたが、やはりかなり違っていました。
この場合、習ってから本を読む、という順番ならば良かったのかもしれません。
①(操体を実践するために)必要な前提知識を独学で学ぶのはなかなか難しい
理由 操体の常識は世間(体操やストレッチはいわゆる整体とは全く違う考え方をしている)の非常識なので、操体をストレッチや健康体操と捉えると、理論的に破綻する
② 理論なんていいから早くテクニックを覚えたい、という気持ちはわかるが、その場合は、①をプロに聞いて指導をうけるのが一番手っ取り早い
のですね。
つまり操体も自分でやるならば
①考え方の土台(大変なら、操体の場合ここはプロに任せてもOK)
②テクニック
と、①をマスターするとか、プロの助けを借りる必要があるってことです。
そして私が更にjegさんに共感するのは「継続」をあげていることです。
そういや私の望みが叶ったのって、やっぱ妄想と継続なんです。
ちなみに、jegさんは願望達成のためには普段からポジティブな下地を作ることが大事、と書いていますが、なるほどです。
密教のお坊さんのマンガ(永久保貴一先生のシリーズ)を読んでいると、お坊さんがお不動様とか仏様にご祈祷をする場面があります。
↓ 私が愛読している密教僧のお話。
その時は、僧侶のほうが上の立場になって、例えば天部の神様仏様達に祈願するわけです。
「○○さんの願い(恋愛成就とか)を叶えてください」とお願いしても、仏様が「無理無理無理!」と仰ることもあるそうです。
これは多分、ポジティブな下地が準備できていないのでしょう。
例:日頃から周囲に愚痴不平不満をまきちらし、対人関係はいつも攻撃的で、人を傷付けることなんてお構い無し。思考はネガティブ思考
という人が神様仏様に「○○さんが私に告ってくれるますように」と、お坊さんに頼んでご祈祷してお願いしても「無理~」と言われてしまうんです。