操体法大辞典

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伝統療法カンファレンス2019その1

2019年9月1日

kenbiki.jp

ヘルスケアリゾート南会津 伝統療法カンファレンス2019開催します!! | 筋整流法協会

 

伝統療法カンファレンス2019が、会津高原たかつえスキー場にて開催されました。
我々は南会津で開催された5回には、全て参加しています。

 

8月30日に、福岡から東京操体フォーラム相談役、新部健太郎先生が到着、その後、同相談役の太田剛先生のプロデュースにて、

“壺中堂”新部健太郎さんを囲んで「空海を知る会〜五大に皆響きあり」がありました。
私はこの4月に真言宗結縁灌頂にも参加し、空海イベントには結構参加しているのですが、今回は「阿・吽」読んどいてよかった、と思いました。勿論他の本も読んでいるのですが、ビジュアルで入ってくるのはやはりインパクト大です。

 

阿・吽 (9) (BIG SPIRITS COMICS SPECIAL)

阿・吽 (9) (BIG SPIRITS COMICS SPECIAL)

 

この会にはフォーラム実行委員からも数名参加しました。
余韻も残る中、翌朝早いので夜の10時にはおいとまし、翌朝は三軒茶屋に集合し、三茶組総勢10名で出発しました。途中佐野SAで別部隊と合流し、那須塩原を経て南会津へ。途中会津高原尾瀬口駅前の「ふるさと」というレストランでお蕎麦をいただき、会津高原ホテルへ。

 

チェックイン後、15時に会場となる「スペーシア」(スキー場)に向かい、毎年お世話になっている筋整流法の皆さんにご挨拶をしてから、足趾の操法のブースと、新部先生の「易占」ブースをセッティングします。

 

その後、柳生心眼流の島津兼治先生のセミナーがあり、一旦ホテルに戻り、ダッシュで白樺の湯(温泉)へ。

aizu-kougen.jp

会津高原ホテルには毎年お世話になっていますが、本当に素晴らしいところです。
東京からだと東北道で西那須野塩原ICを降りて行きます。

 

その後は、スタッフによる懇親会が開催されました。

例年通りフォーラム実行委員の寺本君による、ホーミー(トゥバの喉歌)と、イギル(トゥバの馬頭琴)の演奏がありました。

 

終わった後は、当然ながら「宴会」です。
筋整流法の皆さんと流派を越えた交流は、非常に勉強になるのと、プロの手技療法家からの質問に答えるのは、操体にとってもいいことです。

説明するに従って、操体の特徴が浮き彫りになってきます。

そもそも「操体」を説明するのは難易度が高いと言われます。
それは、操体は一つのフェーズでは伝えにくいから。

そんな感じで夜は更けていくのでした。

 

続く 

みわぞうsingsブレヒト~63 years memorial~

8月23日19時。私はiPhoneの「○AVITIME」や「Map」を見てアタマを捻っていた。
会場の場所はなんとなくわかる。というのは車ではよく通るから。
渋谷で迷うなんて笑えるが、現在渋谷は再開発中で、道路がややこしいことになっている。思ったよりも長く歩いているので、お師匠は機嫌が悪くなってきている(汗)。
初めて行く場所なんですいません。というわけで

やっと会場、Loft Heavenに到着。

今日は三浦先生にもご縁があり、ヒカシュー巻上公一さんともご縁があり、フォーラムやマンダラにも顔を出して頂いている、こぐれみわぞうさんのライブなのだ。

彼女は「ロックチンドン奏者で歌手」である。
さらには、あの「トットてれび」にて、チンドン屋さんの役で出演もしているのだ。

 

www.cicala-mvta.com

 

 さて、ブレヒトって聞いた事がありますか?

私の最初のブレヒト体験は、2009年、知りあいからBunkamuraで上演される、宮本亜門演出の「三文オペラ」のチケットを貰って見に行ったところから。

https://www.bunkamura.co.jp/old/cocoon/lineup/09_sanmon/cast.html

(今みると、結構すごいメンバーです。。デーモン閣下も出てたねそういえば)

63 years memorialというのは、ブレヒト没後63年ということで、8月がご命日だそうなので、近い日に毎年ライブをやっているのだそうです。

 

ブレヒトとはこんな人です。ドイツの劇作家、詩人、演出家。
戦後の演劇界には衝撃を与えた人です。

 

曲は、多分どこかで聴いたことがあると思います。

まあ、私はそんなに詳しくないんですが、曲は結構いろんな人がカヴァーしてます。

 

ja.wikipedia.org

 

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開演前のLoft Heaven.

ライブは前半と後半に分かれており、最初は、ブレヒトの詩の朗読から。
前半は選り抜きのブレヒトソングでした。

 

 

声が通って美しいのと、パンチが効いているのと、打楽器奏者なので、歌によってはリズムも刻むんだけど、なんともエレガント。三浦先生も「いいねぇ」と聞き惚れていました。

そして後半は、ブレヒト研究家、演出家の大岡淳さんを特別ゲストに迎えて、三文オペラのダイジェストが演じられました。

大岡さんの紙芝居つきで、ブレヒトへの愛がこもりまくっている熱演。
このダイジェスト、とてもいいと思いました。というのは、日本人って、外国人の名前を覚えるのが苦手なのと、先が読めないドラマ(例えば花嫁が劇の中で劇中歌を歌うとか)って何だか苦手じゃないですか。

と言う私も、今回ストーリーを改めてアタマの中で整理しました。

で「三文オペラ」と言ったら私の場合は「海賊ジェニー」なんですよ。

これは、三浦先生が車の中で一時ずっとニナ・シモンのベスト盤をかけていて、その中で歌ってます。Youtubeにも上がってます。

 

というか、ホテルの哀れなメイドの女の子が、実は海賊の親分で、彼女を迎えに海賊達がやってきて、街を破壊して皆殺しにしちゃう、って何だかすごい歌ですよね。

 

登場する女性が、極悪人と分かっていても一目惚れしちゃう娘とか、策略家の母親とか、一筋縄ではいかない娼婦とか「純粋無垢なヒロイン」みたいなのが出て来ないのも面白いんですが、そのクセのある女達の歌をみわぞうさん、熱唱。

「よっ!歌姫!」

 

ブレヒトソングがクセになるというのは何となくわかる気がします。

 

そして三文オペラの後のアンコールは、ブレヒトの有名な曲「アラバマ・ソング」でした。これも多分どこかで絶対聞いた事があります。

あっという間に時間が過ぎ、帰る前にみわぞうさんにご挨拶をしようかと思ったら、お連れ様がせっかちなもので、やむなく階段を上がりましたが、帰りは足が軽いこと軽いこと。

 

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Alabama Song

これは、結構ロック系でカヴァーされてます。私が知ってるのは、ボウイとドアーズかな。Youtubeでみると、なんと、ニナ・ハーゲン(それもライブ・イン・ジャパンの映像。確か同級生がこのライブ行ってたな)もやってます。

なんと、マリリン・マンソンとか、 The New York Dollsデヴィッド・ヨハンセンもやってます。

 

 

操体の「主語」は「からだ」。

何度でも言います。


操体では「きもちよさを探すのではなく、ききわける」のです。

 

たまたまネットで

操体もやっている」ところで

 

操体は、きもちよさを頑張って探す

 

と、書いてありました(汗)

 

勉強している人ならば、どこが突っ込みどころかお分かりかと思います。

 

あの、操体あるあるで、「いろんな先生や、やり方があってもいいんじゃない」というのはペケです。

 

何故ならば、操体の基礎概念である「からだにききわける」という大切なことに反しているからです。

 

そもそも「からだにききわけて」というのは、橋本敬三先生の時代から続いている(第一分析時代からですよ)操体の伝統です。

 

「からだにききわけて」という言葉の主語は、「からだ」です。

「きもちよさを探して」という言葉の主語は、「自分」なんです。

 

「自分の動きとからだの動きは違う」

これは、我々が師匠である三浦寛先生から常々聞いている言葉ですが「え?自分の動きって、からだの動きじゃないの?」って思うかもしれませんので説明します。

 

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三位一体

 

こちらは以前東京操体フォーラムで半蔵さんが使った資料です。

操体と他の他力療法の違いがよくわかります。

 

一般の他力療法は、治療者と患者の一対一ですが、操体は、患者(本人)と「からだ」はベツモノとしています。人間、生きていると思考的なクセや、からだのクセが染みついているものです。そのクセ(思考)のスイッチを切って「からだ」そのものに問いかけようというのが、操体です。

 

そして、その「思考のスイッチを何で切るか」というと、快(きもちのよさ)や、第五分析の手法です。

 

そして、最近知ったのですが、最近の催眠療法は、我々がステレオタイプで想像するようなものではなく、通常の会話の中に「催眠」というキーワードを入れただけで、催眠モードに導入するとかできるそうです(大嶋信頼さんの本で読んだ)。

 

我々はからだのみならず、言葉も操るのですが、なんだか催眠療法というかヒプノセラピーにも通じるものがあるような気がします。

 

橋本敬三先生も、瞬時に患者さんの意識を変える名人だったそうですから、この手法は使っていたと推測します。

 

なぜ、同じ「操法」をやっても、効く人とそうでない人がいるのか。
テクニックは当然ですが「言葉」(言葉の波動も含む)もあるのではと。その証拠と言ったら何ですが、スペインの人に、日本語で話しかけても波動は通じるんです。

 

私達が「言葉」に注意を払い「何故『きもちよさを探して』という誘導が、操体の臨床としては妥当ではないか」ということです。

 

逆に「からだが主語だろうが、自分が主語だろうが、探そうが聞き分けようが同じじゃん」ではないのです。

 

が、言葉の重要な働きを「知っていて操体をやる」のか「知らないでやる」のとでは、差が生まれるのは当然です。

 

2019年 操体法講習のご案内 | 操体 三浦寛 人体構造運動力学研究所

www.sotai-miura.com

 

操体法東京研究会の定例講習に参加した方は、実技に入ると「言葉の誘導をうるさく言われるなあ」と思うかもしれませんが、私達実行委員も講習の中でばっちり鍛えられてきました。

 

逆に言えば「自分の言いたいように言っていいですか」と、言葉の誘導や使い方をマスターできなかった人は、コケてます。

なぜ、コケるかというと「からだを操る言葉」をマスターしていないから(つまりは中途半端ということ)。

 

これは、橋本敬三先生にはじまり、53年操体臨床に携わってきた三浦先生の経験や、私自身も操体を25年やっていて「あ、これが体感語だな」というのがわかるようになってきました。

 

そうなんです。操体臨床には、テクニック的なものも必要ですが、言葉の誘導も結構必要なんです。

 

「言葉ありき」なのです。

 

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www.teizan.com

 

伝統療法カンファレンス2019

ヘルスケアリゾート 伝統療法カンファレンス2019が、今年も開催されます。

テーマは「自分でできる医者いらずの体づくり」ということで、なんだ?操体のことではないですか(笑)。

 

私は「操体の施術+ベーシック講習」で、セルフケアを指導しています。

セルフケアというのは、やはりきもちいいとか、続けられるメリットがないと、なかなか続かないものですが、確かに言えるのは「キモチイイものは続く」ということです。

 

ちなみに「頑張る」というのは「自分が本当はやりたくないことを無理してやる」ことで「頑張らない」ということは「自分が本当はやりたくないことは無理してやらない」ということだそうです。

頑張って、習慣になるまで続けばいいのですが、なかなか続きませんよね。

というわけで、ベーシック講習ではセルフケアを一日で習得できます。↓

www.teizan.com

 

話を元に戻しましょう。伝統療法カンファレンスです。

我々東京操体フォーラム、一般社団法人日本操体指導者協会も勿論参加、三浦寛先生のワークショップも開催されます。
我々は「足趾の操法®」と、易占(東京操体フォーラム相談役 新部健太郎氏)で、参加です。私もチャンスがあれば易占のブースにも座るかもしれません。

kenbiki.jp

ヘルスケアリゾート南会津 伝統療法カンファレンス2019開催します!! | 筋整流法協会

2019年9月1日(日)9時〜15時

会津高原たかつえスキー場 スペーシア

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意識飛びとは。

操体(第三分析@皮膚へのアプローチ以上)や、足趾の操法を受けていると(私自身は足趾の操法®で味わうことが多いです)、

いわゆる

 意識飛びの現象が起こることがあります。

 

以前もブログに書きましたが、電話で

「あの~、操体ってきもちよくて失神しちゃうんですか」と聞かれ(汗)

「いや、失神はしませんが、意識飛びはあります」と答えたことがあります。

 

意識飛びとは、文字通り、意識が一瞬飛ぶことです。

失神というと、メーターが吹っ切れるような感じかもしれません(失神したことがないので)。

意識飛びは、意識はあるけれど、どこかに飛んでいるという感じで、飛んでいる最中はそれほど長くはありませんが、キモチイイのは確かです。アタマがすっきりします。

 

脳波とか測ると面白いかもしれません。

 

失神はいわゆる脳貧血であることが多いですが、意識飛びはどちらかと言えば、深い瞑想に瞬間的に入るような感じです。

ある方は「星が流れている宇宙空間に浮かんでいた」とか、瞬時にきもちいいところに落ちる気がしたとか、人それぞれなんですが、いずれにせよ、アタマとカラダはとても休まります。

 

個人的には、足趾の操法を行うと、アタマが休まって、渦状波を行うと、カラダが休まるのではないかと。

 

夏季操体講座ですが、当然ながら、この「意識飛び」も経験して頂く予定です。
「きもちのよさで良くなる」ということがよくわかると思います。

 

2019年夏季操体講座(お盆に操体@2019)詳細のご案内(2) - 操体法大辞典

 

blog.teizan.com

 

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恒常性(やらない理由)

去年から、私と実行委員の寺本君、三浦寛幸君で、交代で往診に伺っている方がいらっしゃいます。

 

両膝からの下の皮膚の傷が何年も治らず、皮膚移植しかなかったのですが、今では皮膚の移植をせずに、傷も少しずつですが、塞がってきています。

この方は「とってもきもちがいいですね」とおっしゃるのですが、

「きもちいい」と、声に出すことで更に治癒力がアップしているような気がします。

皆さんもきもちよかったら、声にだしてみてくださいね。

 

私の話ですが「疲れた~」という代わりに「癒される~」という言葉を使うようにしてみました(口ぐせの実験です)。

 

私は銭湯派なので(風呂が大きくて熱いのがいい)、銭湯の大きい浴槽に入ると「癒される~!」と言うようにしています。もはや習慣です。

そうすると、すごくいいんです。何がいいかというと、癒されるんです。癒し効果がアップするような感じなんです。

 

さてタイトルの「恒常性」ですが、先の足の怪我がある方、周囲にも膝が悪いとかどこそこが痛いとか、そんな方が沢山いるんですが、「操体(足趾の操法他)って本当にきもちいいんですよ」とお伝えしても、興味は持つそうなんですが、そこで終わってしまうとか「え~、でも」みたいな感じになるそうです。

 

新しいことをやろうとする時、脳は「死なないため」になるべく回避しようとします。

「今までで足りてるんだから、いいじゃない」
そして新しい事を「しない」理由を探します。「する」理由よりも「しない」理由を探す方がすごく簡単なのです。

 

また、これは実行委員のIさんに聞いたのですが、知りあいに勧めても「それって何やるの?何に効果があるの?」とか、情報収集が先行し「やっぱりいいわ」となるのだそうです。

 

以前「操体を受けて、クセになると困るから」と言って受けない人がいましたが(実話です)、クセになったら自分で覚えて心ゆくまでやればいいのにな~!と思いました。

 

2019年夏季操体講座(お盆に操体@2019)詳細のご案内(2) - 操体法大辞典

 

blog.teizan.com

 

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