操体法大辞典

操体の専門家による、操体の最新情報など

へえ。。

ある調査によると、サブスク動画配信サービスが、去年に比べて58%の伸びなんだそうです。

そういえば私も、Disney+とNetflixと、Amazonプライム入ってます。

あれ、コマーシャルが入らないのもいいですね。

 

 

来週は、毎年海の日に開催している「操体マンダラ」がありますので、zoomホスト担当&事務局の私は準備にかかっています。

 

これは「三浦先生が、一年の集大成を発表する」「弟子が師匠孝行をする」イベントなのですが、ゲストの方も濃ゆい方が多く、毎回「知的好奇心を満たす」また「アートと操体の接点を考える」ような、濃厚な一日になります。

今年も去年に引き続き、会場とオンラインでの開催です。

 

さて

 

「イサキ」という操体関係の小冊子があり、私も購読しています。

 

こちらは『万病を治せる妙療法』、つまりは第一分析時代の操体法をメインに指導普及をしています。

一般に広めるという視点では、大事なことだと思います。

 

逆に言えば「第二分析以降」は対照ではありませんし、第五分析の手法などは、ただでさえ「操体の常識は世間の非常識」なのに、さらに操体の常識よりも非常識」になっているので、全く別枠だと考えて頂いたほうがよさそうです(しかし、現代の、21世紀に生きる人間の生活様式などにも対応しているので、臨床的には非常に納得できるものになっています)。

 

しかし、目線とか、「連動のしくみ」とか「楽ときもちのよさはちがう」とか、皮膚とか、その昔は「三浦先生は何言ってるんですか~」と、コンサバな方々に言われていたことが、数年後には「操体界の常識」になぜかなっている、という歴史的事実を見据えると、あと10年くらいしたら、多分「操体の常識」になるんだろうなと思います。

 

それはさておき、こちらの最新号を読んでいたら、

見たことのある名前がありました。

 

その昔(2012年くらい)、操体法東京研究会で(私も足趾の操法とか指導したし、渦状波とか第二分析も指導した)操体を習っていたのですが、破門(確たる理由があり、私もその場に居合わせました)された方が、外国の方のインタビュー記事を寄稿していました。

 

世渡りが上手い人っているよね(苦笑苦笑苦笑)と思いました。

 

 

ま、いいけど。

 

ちなみにこの時期(多分星回りもあったのでしょう)、不思議なことに、この方を中心に、破門出奔が続きました。

また、不思議なのは、その時の「破門出奔」者達は、ほぼ「同じエリア」の人でしたね。

で、もっと不思議だったのは、この方が破門された原因を作った方(本来ならば、自分が破門になった原因を作った人とは相対すると思うんですが)と、その後、破門された同士、仲良くつるんでいるというのも不思議でした。

 

ま、いいけど。

 

まあ、とりとめもありませんが。。。

 

 

 

おまけ。

最近見た映画を記録しておきます。

HOKUSAI

wwws.warnerbros.co.jp

るろ剣」は、The Final も The Biginning も、観ました。

www.peterrabbit-movie.jp

パディントンといい、ピーターラビットといい、英国産のもふもふ系の映画は「英国的ジョーク」が効いているのです。

marvel.disney.co.jp

そして『Disney+』に入っていますが、これはやっぱりIMAXで観たい!ということで、IMAXレーザーで観てきました。

スカヨハは勿論、以前から「この若手いいよね」と目を付けていた、フローレンス・ピューが妹役で登場、姉妹でタッグを組んで殺したはずの宿敵に挑みます。

これを最後に、ブラック・ウィドウはマーベル映画には登場しないという噂ですが(残念)妹エレーナ(フローレンス・ピュー)は、次作「ホークアイ」に出るそうです。って、エンディングにヴァレンチーナ(ヴァル)と、ホークアイの写真が出てくるし・・。

あ、すいません。アベンジャーズ好きなんです。

 

 

 

 

「きもちのよさ」でジャッジしないこと

操体法の指導をしていると、たまに

「ちょっとしかきもちよくない」という言い方をする人がいます。

 

ちょっとしか、というのは、快適感覚が多いからいい、少ないから悪いとか、きもちのよさがあるのが○で、ないのは×であるという解釈の仕方です。

 

しかし、操体ではそういうふうには考えません。

 

実は「快」という言葉に囚われてしまうと

「ちょっとしかきもちよくない」発言が聞かれることがあります。

 

下記の図をみてください。

 

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この図をみると「楽な方にきもちよく」という指導は適当ではない(楽と快を混同している)ことがわかります。



快と不快と楽でなんともない、というものを図示したものです。

昔の操体(第一分析時代)は、楽と不快という二元論で成り立っていました。
第二分析、つまり「快を問いかける」という段になってきますが、未だに「楽と快」を一緒に混同している操体実践者は数多く見られます。

 

快・不快の法則というのは、ボディに歪みがある場合、動診などを行って感覚分析を行うと「快か不快を感じる」のです。つまり、どこかにアンバランスがあるからです。

凝った肩を揉んで貰うときもちいいのもそうですし、動かして痛い(不快)なのは、実は「アンバランスであり、動かしてみたり感覚分析を行うと、快か不快を感じる」のです。

 

一方、バランスがとれていて「楽でなんともない」というところもあります。

このエリアは、ニュートラルな状態なので、快・不快はありません。

なので、楽でスムースなのに、きもちいいですか、と聞かれてもわからないのです。

 

ここまで読んでいただければお分かりかと思いますが

「少ししかきもちよくない」というのは「きもちよさが沢山あったほうがいい」という損得勘定です。

確かに質の高い快適感覚を味わうのが、第2分析以降ですが、きもちのよさの多い少ない(これは、被験者自身の損得勘定です)ではなく「からだが、その快適感覚を味わいたいと言う要求があるかどうか」で判断します。

 

「アナタ」ではなく「からだ」です。

ここを理解しないと「ちょっとしかきもちよくない」ということになるのです。

 

また、先日セルフケアをやっている方から「動かしてみて、刺激(きもちよさが)がその部分にたくさんあったほうが治るんですか」と聞かれましたが、それは、ノーです。

 

操体はストレッチではありません。

ストレッチやヨガ的なものなら「背中のストレッチ」とか、脇腹のストレッチ、というように、ある特定の箇所を伸ばしたり刺激を与えたりしますが、操体は、ストレッチでも刺激でもありません。

 

敢えていえば、緩やかな連動が全身に行き渡り、柔らかいテンションがかかる、と言った具合でしょうか。

 

「オレをホワホワさせんじゃねぇ!」(byいのすけ)みたいな(笑)

 

よく聞くのは、温泉に入った後みたい、とか、ぐっすり寝た後みたい(個人差あり)とか。

 

なんともないのは「バランスがとれている」のです。

 

「楽でなんともない」というのも、あるのです。

かといって、楽でなんともないのに「きもちいいですか」と聞かれてもわからないのです(これは操者に問題があります)。

 

また「動かせば必ずきもちよさがある」という勘違いをしていることも多々あります。

 

「楽で何とも無く、ニュートラル」というエリアもあるので、動けば必ずきもちのよさを聞き分けられるということはありません。また、この場合、操者の介助補助や、言葉の誘導が甘いか、または「快・不快の法則」などを理解していないか、そもそも楽と快の違いがわかっておらず、言葉の上だけで「きもちよさ」を使っている場合が殆どです。

 

大昔(大昔の話ばかりですいません)、三浦先生の講習で、私を嫌っていた三浦先生の大ファンのおばちゃまがいたんですが(結構いじめられました笑)、この方と組んで練習した時、その人が

「あんたにやってもらってもちっともきもちよくないわ!」と、私に吐き捨てるように言ったことがあります。その人にとっては、それが私に対する最高の反発だったんだと思います(私は別に平気でしたけど)。

 

私はその時「あ、この人は、きもちよさの多い少ない、あるなしで操体を理解しているんだな(ちゃんと理解してないんだ)」と思いました。

そして「快でジャッジすると道をあやまることがある」と気がついたのです。

 

きもちのよさを聞き分けられて、それが質が高くて、それを味わうことができればベストですが、バランスがとれていれば、楽でなんともないこともあるんです。

 

また「きもちよけりゃなんでもいい」という極端なことを言う人もいますが、それもちょっとちがいます。

 

操体で言う「快」とは、「動診あるいは分析」の中において、からだがききわける「快適感覚」のこと。世の中の森羅万象の「快」のことではありません。

こうなってくると「快はなんでも操体だ」とか言う怪しい人も出てきますので、そうではないことを書いておきます。

 

補足:

なぜ「ジャッジしないのか」というと、本来は「快適感覚があるかどうかをからだにききわける」というプロセス(これは客観的な姿勢です)が、「あるといい。ないと悪い」という、判断・判定にすり替わってしまうのは、避けたいからです。

 

これを書いていると、

  • 被験者がきもちよさを味わってくれないとか、感覚のききわけができないとがっかりしてしまう
  • タロットで逆位置(リバース)がでるとがっかりしてしまう
  • 易で良くない卦がでるとがっかりしてしまう

 といった「がっかりした」話を思い出しますが、世の中、そんなに単純ではありませんし、この3つの「がっかり」には「感情」が含まれています。

 

操体の臨床家には「客観的にみること」が要求されます。

  • きもちよさを味わうことができない(と、客観的にみる)
  • リバースが悪いのではない(客観的にみる)
  • 易は変化するものであり、四大難卦にせよ、変化する(と、客観的にみる)

よく言うのですが

「股関節が曲がらないから、股関節が悪い」のではありません。
「股関節の可動域が少ない」と、客観的に見るのが、操体の臨床家です。

 

 

操体法の「捻転」と「片頭痛体操」

先日、あるドクターとクリニックの方に、操体の「般若身経」の捻転の話しをしました。

(からだの使い方、動かし方の基本。般若心経ではなく「身」。橋本敬三先生の時代からある、いわば基本運動の愛称です。操体実践者の間では、かなり有名です。というか、これを知らずして操体を語ったらウソだろ!くらい有名です)。

 

そうしたら「片頭痛体操みたいですね」と言われたので、調べてみました。

 

その前に、はるか昔の記憶が甦ってきました。

友人の家にわんこがいたのですが、そのわんこのトレーナーさんと一緒になったことがあり、その時に「般若身経の捻転」(捻転する方の母趾球に体重が移動し、反対側の足の踵は軽く浮く)を「ちょこちょこっと仕事の合間にやってみてください」と伝えました。

その後、しばらくしてからそのトレーナーさんに会ったのですが、

「実は片頭痛持ちで、鎮痛剤が手放せなかったんだけど、頭痛が起こりそうになったら、あのぶらんぶらん(捻転のことですね)をやると、おさまる」「最近片頭痛がおこらない」という衝撃の告白を受けました。

 

それほど難しい指導ではなく「立ち話でちょこちょこっと」のレベルです。

 

なお「捻転」は、両足の母趾球の間で重心の移動が起こりますが、うまくやれば、小さな動作で全身がまんべんなく連動します。多分それが上手くいって、全身のバランスが整ったのでしょう(からだのつくりに適った動きを行ったので、バランスがとれた)。

 

えっ、ほんと?捻転だけで?と思いましたが、その後、モノの拾い方を口頭で指導しただけで、膝の痛みが消えて、その後再発していないというケースもあるので(この方は、きもちよさを味わいに、メンテナンスにはいらっしゃいます)こういうことはありえるんですね。

 

もう一つ思い出したのは、私の昔のクライアントの方の話です。

仕事で関西に引っ越したのですが、転倒して膝をひねって痛くて仕方ないと言うときに、東京まで行けないけど、どうしたらいいか、と、電話を貰いまして、電話で「これこれこうやってみて」と言ったら、
電話口で「あれ?痛くない」「痛くなくなりました」と言われたこともあります。

 

★この3つのケースには、あとでよくよく考えると「共通点」がありました。

 

痛みやトラブルがあったので、余計な事を考えるヒマがなかったのですが、それがかえってよかったのかもしれません。

私が言ったことを、素直にそのまま実行してくれたんです。

(この場合は、きもちよさとかそんな話しは一切していません。緊急時でしたからね)

 

この「素直にそのまま、深い意味とか考えずに」というのがポイントです。

つまり「からだにききわけて」という、操体の基本ルールが通ったからなんですね。

 

ちなみに、片頭痛体操というのを調べてみたら、操体とは違って、足の体重移動はせず、頭も固定して、首と腕だけをコマのように振るんだそうです。

つまり、肩と首をストレッチしているんですね。

操体の『捻転』は、全身形態が連動します。その辺りが違います。

 

 

 

 

 

腰痛と膝痛と操体(8月7日特別講座)のお知らせ

この講座の対象者を書いておくことにします。

 

操体操体法に興味がある人
操体という言葉を知っている人、あるいはこのブログを読んでいる方は「自分のからだは、自分でケアしたい」と思っているとか「からだ」に対する興味がある方だと思います)、

腰痛・膝痛を予防したい人、再発させたくない人

 

腰痛や膝痛には、必ず原因があります。

朝起きたら膝が痛かった(私はたまにある)ということもありますが、突然何の前触れもなくトラブルが起こるということはありません。

 

しかし、からだの使い方、動かし方(どう使ったらこわさないか)ということは、学校では教えてくれないし、チャンスがなければ一生覚えることはないかもしれませんね。

 

操体法による腰痛と膝痛の予防とケア | 操体.com

 

xn--tqq763c.com

 

 

腰痛と膝痛と操体(8月7日特別講座)

Forbesの記事にこんなのが載っていました。

forbesjapan.com

 

私も「ぎっくり腰」の方をかなり診ていますので、興味深く読んでみました。

 

その方法とは

ぎっくり腰になったら「痛み止めを使い、できるだけ普段の生活をする」のがお勧め

なんだそうです。

 

しかし、

 

ぎっくり腰になるには必ず理由があります。

ある日突然やってくるように見えますが、そうではありません。

 

普段の生活のなかの「無理」がちょっとずつ蓄積されて、それが、クシャミとか、ちょっと重い物を持ったとか、そういう時に一気に発現するわけなんです。

 

「からだの使い方、動かし方」や「その他諸々(これは一般には余り知られていません)」の理由があるのです。

 

それらの根本的な原因を解決しない限り、ぎっくり腰はまたやって来ます。

 

さらに近年の研究では、半年以上にわたって腰痛に悩む人の脳を調べたところ、痛みの処理に関わる部分の働きが衰え、通常の人よりも痛みを「感じやすくなる」ケースがあることもわかりました。(J Neurosci. 2011 May 18;31(20):7540-50.)

 

腰痛持ちの人は「通常の人よりも痛みを感じやすくなるケースが多い」んだそうです。

 

痛み止めを使って、できるだけ普通の生活をしても、根本的な問題を解決しないと、またぎっくりをやります。

 

操体、実はこの「根本的な問題」を解決するのが得意です。

勿論、ぎっくりをやったら対処しますが、

 

それを再発させないようにするのが、我々操体法指導者の役目でもあります。

 

そして、膝が痛いというのも、多いお話です。

私自身もたまに膝が痛くなったりしますが、自分で対処しています。

 

というわけで、8月7日(土)16時半~18時半に、

「腰痛にならない、再発させないための操体法講座(仮称)」を開催致します。


講師は、東京操体フォーラム実行委員の瀧澤一寛氏と畠山の予定です。

 

畠山はつい昨日、瀧澤氏から、脊椎狭窄症を20年近く患っていた方の事例を聞いて「操体ってやっぱりすごい」と思いました。

詳細はこちらからどうぞ。締め切りは8月5日です。

xn--tqq763c.com

 

それを言ったら「みんな良くなっちゃったら、受けに来る人が減っちゃうじゃないですか」と言った人がいましたが(笑)、

 

もし、その人が良くなって、二度とぎっくりで悩まなくても、回りの誰かが「腰が痛いよ~」ということになれば「あ、操体、いいよ。ハタケヤマ先生のところに行きなよ」と、ご紹介してくれるので、全く問題はありません(三浦先生もそのようにおっしゃってました)。

 

働き盛りで忙しい人が、そんなに数日も寝こんでいることはできない場合がありますが、中には「天から強制的に休みを取らされている」こともあります。

 

まあ、ぎっくり腰くらいで済めばいいですが、強制的に入院する羽目になったりすることもあるので、からだは適宜休めたほうがいいですね。

 

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腰痛とは全く縁がなさそうな方(笑)。からだ捻りまくってます

 

「ことばの誘導」はとっても大事です。

こんにちは。仏弟子曹洞宗で在家得度している。父母の実家は曹洞宗)畠山です。

実家の父が入っているお墓は近所にありますが、そこは何故か日蓮宗のお寺です。
父が亡くなった時、丁度「お墓がない!」という時で、ご縁があってそのお寺の墓地を分けていただきました。最近の東京のお寺は「宗派問わず」が多くなりました。

 

一方、ご縁があって、ある真言宗のお寺に行って来ました。わたくし、真言宗もかなり好きなんですが(同門T本君と、高野山東京別院で、金剛界胎蔵界結縁灌頂を受けてきたくらいです)、密教と言えば「三密」です(コロナよりもこっちの三密のほうがずっと昔からあります)。

これ、ホトカミに判りやすい説明が載っていますが、

「身密(しんみつ)・口密(くみつ)・意密(いみつ)」の3つを合わせて三密です。

hotokami.jp

操体操体法を実際に用いるには「ことばの誘導」がとても大事です。


多くの人は「操体っていうのは、テクニックを覚えればできる」と思っているかもしれません。

 

勿論、セルフケアの場合は「自分のからだ」に問いかけるのですから、コツがわかれば大丈夫です(それでも操体は「からだ」に、客観的に問いかけるので、コツは必要です)。

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問題は、他者に行う場合です。

実際、教室や講習では「お互い慣れた人」にやるので、みんな「ものわかりのいい被験者」になってくれます。

 

私も講習でよく見かけますが、操体をある程度勉強しており、連動もわかっていて、感覚のききわけに慣れている人が被験者役をやれば、わりとサクサクっと行きます。

 

しかし、実際に「操体を受けたことがない人」に対して、「操体に慣れていて感覚のききわけに慣れている人」のように接しても、期待したような答えはまず返って来ませんし、動いてくれません。

 

ここが、勉強のしどころです。

 

例えば仰臥膝二分の一屈曲位で、膝を右に傾倒(倒す)場合、

ド素人は「膝を右に倒して下さい」と言いますが、

 

操体のプロはもっと細かく説明します。

どうやって説明するかは(これは勉強してもらわないといけませんので)略しますが、

プロセスを数えると、膝を傾倒するということに対し、スタート点はここ、次はここ、その次はここ、そしてここ、そしてそこ、のように「連動」がアタマに入っているので、途中に「ゆっくり」とか、呼吸の指導をいれながら、全身形態の連動を促します。

 

なお、膝を倒して、というと、柔らかい人は、膝だけバタンと倒したり、逆に固い人は、からだごと転がったりします。こうなると、動診に行けません(汗)。

 

私が三浦先生から習ったのは、この辺りの「動いてくれない人を、どう操るか」ということでした。

 

操体の指導で一番難しいのは、手で触れずに、言葉の誘導だけで、被験者のからだを操るということです(気がつきました?被験者、ではなく、「被験者のからだ」です)。

 

「患者さんが動いてくれない」というのは、「操体初心者あるある」ですが、それは、言葉の誘導になにかあります。

 

というか「からだ」に伝わっていない可能性があります。

 

殆どの人は「被験者のアタマあるいはエゴ」(損得、正しい正しくないで判断する脳)に問いかけていますが、

 

そうではなく「からだ」に問いかけるのです。

 

この辺りをずっと勉強していたら、ヒプノセラピーなどで使う言葉の誘導なども大きなヒントになりました。

 

橋本敬三先生が「患者の意識を変える名人」だったというのは、多分この辺りにあったのではと思います。

 

三浦先生の言葉の誘導も、かなりこの辺りが入っていると思います。

 

以前、丸暗記は得意なので、三浦先生の誘導の文言はまるっと覚えて、実技でもそれを再現できる人がいましたが、どうも言葉が響かないということがありました。

 

よく観察すると、丸暗記の棒読みの一本通行なのでした。

 

要は、自分が一方的に、立て板に水的にぺらぺらと喋っているだけで、被験者及び被験者の「からだ」は「???」という感じです。

 

操者だけがわかっていて、ぺらぺら喋っていても、ダメなんです。

これを「どうやってからだに伝えるか」という勉強が必要です。

 

 

催眠ガール

催眠ガール

Amazon

 これは、私がかなり読んでいる大嶋信頼さんの小説です。

女子高校生が主人公の「小説」ということで、後回しにしていたのですが、この前時間ができたので、読んでみました。

 

素晴らしい本です。

本自体が、「催眠」のスクリプトになっているのですが、読むと「心が自由になる」という感覚が、よくわかります。

登場する「サラリーマンみたいな普通のおっさん」は、大嶋さんの本によくでてくる「催眠のお師匠さん」です。

多くの場合「催眠」というと、サルにされるとか、自分の恥ずかしい秘密を喋っちゃうとか、なんだかそんなことを想像することがありますが、ここで出てくる「催眠」は「なんにもしない」ということ。

 

セラピストのみならず、対人サービス業の方は、是非お読みになってみてください。

 

 

 

近くで操体をやっているところはありますか?

というお問い合わせを頂くことがあります。

 

しかし、操体をやっているところは、そんなにありません。

 

また、ピンキリ(本を読んだだけとか、先輩からちょっと習った程度の場合もあります)です。

 

またまた、腕前を知らない方をご紹介はできません。

 

私が一番危惧しているのが、紹介したけど「操体やってくれなかった」とか「よくわかんなかった」と言われることなんですよ。

 

そして、保険適用外です。

接骨院でやっているところもありますが、ほぼ自費です。

 

 

操体法の実際」という本があります。

この本の巻末には、昔「操体法実施施設」というのが載っていましたが、今では削除されています。

 

何故かというと「操体実施施設」と書いてあるのに、操体をやってもらえなかったという苦情があったからだそうです。

 

うちも昔、故根本良一先生の本の巻末で紹介していただきましたが、ある鍼灸師の方が「『操体法実施施設』と書いてあるのに、電話したらやってないと言われて、やっとやってくれるところに辿りついた」といらっしゃったことがありました。

 

また、私の知りあいが「操体法をやっている」と、HPに書いてあったので、行ってみたところ、操体はやってもらえず、文句を言ったら、そこの一番えらそうな人が出てきて、指圧っぽいことをされたと言っていました。

 

最近でも「ホームページを見て行ったけど、操体をやってもらえなかった」という情報が。。。

 

操体をやっている、といっても「操体もやっている」ところもあります。

 

そして、操体の施術をやっているわけではなく、体操教室のようなところで、教えている場合もあります(こういう場合は、元気で動ける人を指導するのが基本なので、体操教室の指導者が、操体の施術や臨床ができるとは限りません)。

 

例えば「指圧院」で「操体もやっている」という場合は、指圧がメインですし、「整体院」であれば、整体がメインです。

 

屋号に「操体」と入れるには結構な覚悟が必要です。

 

なお、超例外ですが、私の師匠、三浦寛先生の治療院の名前は

「人体構造運動力学研究所」といいます。操体の「そ」の字も入っていませんが、昔から看板出してるわけでなし(看板は出ていません)、広告出してるわけでもありませんが、三茶で50年近く、ほぼご紹介(音楽関係者とか多い)でやっています。

 

なお、この屋号は、橋本敬三先生のお墨付きだそうですよ。
また、看板は、橋本敬三先生のご子息、橋本保雄さん(元ホテルオークラの副社長)から頂いたそうです(しつこいですが、看板は表に出ていません)。

 

操体法創始者橋本敬三医師の直系の弟子で、柔道整復師の免許(保険治療はやっていません)と、鍼灸の免許をもっていらっしゃいますが、操体一筋50年です。

(なお、HPは私が作っていまして、メールも私が受けています)

www.sotai-miura.com

★三浦先生のサイトから、メールを受けとると、私が三浦先生に聞いて、お返事するという仕組みになっています。

 

あ、そういえば、東京操体フォーラムの岡村先生のところは「操快堂」、瀧澤先生のところは「手まり堂」です。「操体」という文字は入っていませんし(岡村先生のところは、操、は入ってますね)、友松先生の「からだバランス調整院」も、操体とは入っていませんが、操体専門です。

 

日下先生の「北六甲操体院」は、操体、という名前が入ってますね。

 

なお、若手で開業していなくても「施術往療」が可能な者もおりますので、お問い合わせ下さい。

www.teizan.com

 

あとは、同門の東京操体フォーラム実行委員なら、ご紹介できます。

実行委員・相談役紹介 | Tokyo Sotai Forum

www.tokyo-sotai.com

 

こう言うと「もっと近くにないんですか」と言われることがありますが、

ないんです。。。

 

知らない人や、腕前がわからない人は、紹介できませんので、その辺りはご容赦くださいね。

 

実際、操体の「専門家」は、本当に少ないのです。

 

あと「操体を誰に習ったか」というのも大事です。

日本で操体をやっている方は遡れば、大抵「操体法東京研究会」に辿り着きます。

 

また、40年前に習った場合と、30年前、20年前、10年前、最近でも、違います。

40年前に習って、そのままなのか。

20年前に習って、今も勉強しているのか(東京操体フォーラムの、半蔵さん、岡村さん、畠山などはこれにあたります)

20年前に習って、それっきりの人もいます。

 

操体は進化を続けています。

勉強を止めたら、そこでストップします。

 

 

そして、これはご縁の問題でもあります。

このブログをお読み下さっている皆様に良い操体のご縁がありますように。

 

 

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最近、猫の操体(そもそも猫のほうが操体的?)を研究中です。