操体法大辞典

操体の専門家による、操体の最新情報など

操体は簡単そうに見えるの巻。

その昔、1970年代後半、三浦先生の「操体法東京研究会」の前身の講習に、三浦先生の学生時代の同級生が参加したのだそうです。

 

その方は、三浦先生が「あとでちゃんと紹介するから」と言ったにもかかわらず、仙台の温古堂に行き、橋本敬三先生に会ったのだそうです。

 

その方は、橋本敬三先生の臨床の様子をみて

「な~んだ。簡単じゃないか。これならできる」

と、その後、無謀にも開業したのだそうです。

 

そして、どうなったかというと、半年後に廃業。

 

笑い事ではありません。「操体って簡単そうだから、すぐ覚えてすぐ独立開業できる」という方は、いたりします。

 

そして、上手く行かないと「操体は効かない」とか言って、何とかセラピーとか、他のことに手を出すというのがパターンです。

 

本当は「操体が効かない」んじゃなくて、操者の技量が足りないだけなんです。
操体を覚えればできる」のではなく、操体を学び、技量を高めるというステップが必要です。何でもそうですが、「習ったこと」は「できること」ではありません。

 

「わかる」と「できる」は違います。
特に操体は「体現」するものですから、理論だけ分かっていても、実際に使えることが大事です。

 

また、介助法(例えば手首前腕を外旋にきめる)なんていうのは、みた目にはとても簡単に見えるのですが、実際にやってもらうと、まずできません。

 

足趾の操法®も、簡単に見えますが「もみ」などは、操者の手は前後に動いているのに、被験者のからだは縦揺れせず、足先と膝が開閉するという動きになります。

 

また、操者のからだは揺れません。

 

「作法」というものがあるので、それを学ぶのです。
それがあって、形が美しい、動きが安定している、長時間やっても疲れない(プロなら3時間くらいはぶっ通しでやっても平気)、被験者と快適感覚をシェアできるということになります。


これ、実は一番難易度が高い操法です。
真似はいくらでもできますが、縦揺れせず、膝が開閉する、という動きを再現するには、ある程度時間がかかります。

 

★見て真似した、というケースも見受けられますが、実際に被験者に受けてもらうと、快感度や満足度が全く低いのです。

揉みじゃなくて、単に指をもって回しているだけだとか。

 

 

器用である程度うまい人がいます。

これは、伝統芸能の方も書いていましたが、最初からある程度うまい人は、途中で壁にぶつかります。

壁にぶつかった場合、最初からうまくなかった人よりも、努力が必要になります。

というのは「型」をきちんとやらずとも、なんとなく上手くできてしまったので、後で「型」をちゃんとやっていないという壁にぶつかるのです。

 

結局は「続けた人勝ち」なのです。

 

東京操体フォーラムの実行委員のメンバーを見ていても、そう感じます。

 

また、これは何でも言えるのですが、やはり「操体を第一」にしている人(修業中だけでもいいのですが、やはり本気で一流になりたいのなら第一というのが基本ではないでしょうか)は、進捗が遅くとも、気合いが違うのです。

 

 

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