ということを、真面目に考えてみました。
まず
- 専門家が少ない
ということでしょう。つまり「ちょっと知ってる」とか「教えてもらった」という人や、学校でちょっと習ったという人(鍼灸学校のテキストにも載っている)は多いのですが、操体・操体法を専門にやってる人が少ないのは事実です。
そしてそれは何故か。
今まで習ったことをクリアにしてリセットする必要があるからかもしれません。
後でも出てきますが「操体の常識は世間の非常識」なのです。
- 自力自療と「自分でできる」を混同している
操体法の特徴に「自力自療」という言葉があります。
自力自療とは、
「健康な人が病気にならないための健康維持増進としてのセルフケア」と考えます。
あるいは、からだが自分で自分を治すちから、治癒力の発動です。
これがもし、「自力自療がかなわないくらい症状疾患を抱えている」という場合、自力自療が間に合わないのですから、自力自療できるくらいまで、プロが持って行ってあげなければなりません。
「操体でセルフケアしたい」という方の中には「自力自療が間に合っていない」状況なのに(本当は、自力自療がかなうレベルまでの治療者の助けが必要)、自分でなんとかしようとしますが、何とかならない。
自分ではかなわないレベルなのに、それにトライして「やっぱりダメだ」とあきらめる方もいますが、我々操体のプロは、
「自力自療がかなうレベルのからだになるまで、お手伝いをして」
「その後は、健康維持増進のために、自力自療のセルフケアしてね」
「お肌の手入れ、自分でもできるけど、ある程度の年齢になったら、たまには、プロ(エステ、美容医療など)に任せてね」
というサイクルを考えています。
っていうか、自力自療がかなわないような症状疾患が、自分で簡単に治せたら、「操体法」というのは、全世界で超メジャーになっているはずです。よね??
そうではないのは
・自力自療がかなわないレベルの人が
・自分で治せる、自分でできる、という期待を持って操体に臨む(自分でやることに固執する)
・自力自療がかなわないのだから、なかなか効果が出ない
・あきらめる
ということになっているからでは、と考えています。
自力自療がかなわないレベルの症状疾患は、やはりはじめは「プロ」に任せ、自力自療が可能なレベルまで復活してから「自分でできる」ことにシフトするのが、本来です。
なので、我々のようなプロがいるわけですね。
何度も書いていますが「操体は自力自療なんだから、プロはいらない」「生活の中で生かせるんだから、プロはいらない」という暴言を吐く人もいますが、自力自療以前の問題を扱っているのが、我々プロなのです。
- 操体の常識は世間の非常識
これはよく感じることですが、操体の常識をいくつか挙げると
動きと感覚を区別している
左をやったら右も同じだけ、という左右同じという考えがない
症状疾患にとらわれない(○○疾患に効く操体法、という考え方がない。というのは、ボディの歪みと軸を正すことによって、二次的に症状疾患を解消することを目的としているから)
「からだ」「本人」「操者」という三位一体で臨床を行う(普通は「本人」と「治療者」の二対一)
などということを考えてみました。
この辺りを引き続き地道に広めていきたいと考えています。
「知る人ぞ知る」。いいですね。