某出版社から、私と師匠のところに「操体のムックを出すから広告を出さないか」という案内が来た。厳密にはフォーラムと一般社団法人日本操体指導者協会宛だ。。
まず、著者の先生。私も存じ上げているし、フォーラムにも参加していただいたことがある。
三浦先生の講習にも参加していた方だ。
広告担当者が知らないんだと思うが、三浦先生が、自分の元受講生が出す本に、何で有料で広告を出さなきゃならんのだ。
本来なら三浦先生に監修くらい依頼してもいいんじゃないかと思う。
そして「楽な方にきもちよく動かして整える」とある
ああ、楽と快を一緒くたにしちゃってるんだ。
あ、三浦先生、混同している時点で。。。
これだけで、本を作った方々が「楽と快の違いをわかっていないことがわかる。
以前この出版社の担当者に「お宅で出してる操体法の本は、橋本敬三が『快』って言う前の本だけど、操体におけるきもちのよさってわかるのか」と、聞いたら「実はわかりません」と言っていた。
それなら、今度実際受けてみませんか、と言ったら「本で勉強します」と言っていた。
本じゃわからんよ。。
他の若手社員にきいてみたら、その会社は、入社時の社員研修で操体をやるらしい。
「きもちのよさ、ってわかった?」と、聞いたら「わかりませんでした」といっていた。
出している本には「楽な方に動かして瞬間急速脱力」という第一分析しか載ってないのに、言葉だけ「快」とか「きもちよく」とか、わかっていないことを書いているから「楽な方にきもちよく動いて」とか、楽と快を混同したことをやっちゃう。
橋本敬三も、晩年「楽と快は違う」って言ってるんだからさあ。
私のところには「気持ちよくって言われたけど分からない」とか「操体法の実際」を読んだけど、さっぱりわからないという人がたくさん来る。
橋本敬三も「万病を治せる妙療法」の元ネタを連載していた時は、楽と快の区別が明確じゃなかったところはある、
でも、82歳の時三浦先生に、90歳の時卒寿の席で「楽と快は違う」って言ってるのだ。
創始者が言ってるんだから、聞いたら?
21世紀の操体は、楽は楽を通す第一分析、快を聞き分け味わう第二分析、皮膚へのアプローチ、第三分析、第四分析と、進化している。今は、第五分析が我々のトレンドだ。我々は実際に操体の臨床(施術・治療)を行なっているし、検証も重ねている。
そしてもう一つ。
環境が変わり、昭和の時代の第一分析では、間に合わなくなっているのだ。
昭和の時代だったら効果があったかもしれないが、今は違う。また、20年以上三浦寛先生や私や東京操体フォーラムのメンバーが「楽と快は違う」と言い続けているので、一般にも「楽と快は違うし、体験するとわかる」という認識が広まっている。
そんな令和の時代に昭和の「楽な方にきもちよく動く」ってなセオリーを打ち出すとは。。
みなさん。
操体以外の療法や健康体操なら「楽な方に気持ちよくうごいて」と言っても、私は何の文句も言いませんが、操体なら、ダメだと言います。
何でかというと、結果が出せないから。
本人が味わったことがないものを、人(患者様やクライアント)に押しつけてもダメです。
「楽」の第一分析しか勉強してないなら「楽」に特化して、「快」には手を出さないのが賢明です。
「楽な方にきもちよく」こんなことを言うのは、操体で、患者様やクライアントの臨床(治療)を、やっていない人です。