操体法大辞典

操体の専門家による、操体の最新情報など

「健康寿命」と操体。

操体は、どこか痛いとか辛いとか、そんな時に「治すため」に使われるだけのものではない。
 
  • 未病医学(健康な人が病気にならないための医学。からだの使い方、動かし方、呼吸のしかた、飲食、精神活動、軸、環境など、橋本敬三の哲学をも含んだもの)
  • 治療医学(いわゆる治療)
  • いやし
  • 免疫力がアップする

 

こういう側面があるが、大抵は「治療」として見ている。

ところが、操体はそれだけでなないのである。

 

ここから派生して、パフォーマンス向上なども含まれてくるのだが「未病医学」に含まれているものだ。パフォーマンス向上とは、運動効率を上げ、疲れにくくなり、フォームが美しく、身心が安定することに繋がる。

 

 

4月29日の春のフォーラムのテーマは「健康寿命につながる健康学」。
 
 
健康寿命とは「健康上の問題で日常生活が制限されることなく生活できる期間」のこと。
 
寝たきりや要介護の期間を除いた期間のことだ。
 
平均寿命は延びているけれど、健康寿命はどうなんだろう。

 
 
呼吸法のプロがいる
 
 食養のプロがいる
 
身体系・運動系のプロがいる
 
心の問題のプロがいる
 
重心や体軸に関するプロがいる
 
これらは健康寿命にとってはとても大事なことなのだが、いかんせん、本当はひとまとめにして全体を俯瞰しなければいけないのに、バラバラに扱っている。
 
これに、現代人がかなり鈍くなっている「原始感覚(好きかキライか、あるいは快か不快か)」を目覚めさせ、息食動想、軸の全ての方向から面倒を見ましょう、
 
で、これらは皆繋がっているので、まずは「動」(今は息でも軸でも構わない)からアプローチして、みんな一緒に面倒見ましょう、というのが操体の基本だ。
 
健康寿命にとってだいじなこと、全部面倒見ましょう」というのが操体なのである。
 
 
勿論年をとればガタがくるし、メンテも必要になる。それはからだを使っているのだから、当然だ。
 
それを「ありがたくからだを使わせていただいている」というスタンスで、
 
普段から「からだの使い方、動かし方」や、その他秘密のエトセトラ※などの工夫などによって、遅くしたり、メンテの頻度を下げるのだ。
 
※こういうことを「操体のプロ」は勉強するのです。
 
操体は、どっか痛いとか、そういう対応だけしているわけではないのだ。
 
我々は、20代30代の頃から「未病医学としての操体」を勉強しているので、例えばちょっとやり過ぎて病気になっても回復が早かったりする。
これは間違いないし、もう少し始めるのが遅くても、大丈夫なのである。
 
そして操体の面白いところは「完璧を求めない」ということだ。
 
六割できていれば良しとする。
 
 
元気で健康に暮らすための、最低限のルールを守り(これが操体のキモである。どのようにからだを使ったらいいのか、ということ)完璧を求めず、六割程度で良しとし、頑張らず欲張らず、というのが未病医学、つまり健康寿命につながる。
 
 
ちなみに、操体のお陰で免疫力はアップしていると思うが、コロナのワクチンを打った時は、高熱が出て1ヶ月くらいは本調子に戻らなかった。
 
 
 

はじめての操体法(序1)

操体を自分でやろう!と思った場合、

 

1.今は何も問題がなく、健康維持増進のために操体を体得したい

2.どこか調子が悪いところがあるので、操体でメンテナンスして自分で治したい

主にこの2つが考えられると思います。

 

この2つ、実は違います。

 

それと同じで、操体の指導者になるのと、操体のセルフケアを自分でできるようになるというのは、全く別のことです。

 

操体の指導者(治療家)になりたいのであれば、数年間しっかり勉強して下さい。

なお、私はよく受講生に言うのですが、

操体を学ぶということは、2つの道があります。


1つは、第一分析(楽な方に動かして脱力)にとどめ、「快」(第二分析以降)には手を出さないこと

もう一つは、第二分析以降もしっかり勉強し、沼にはまることです。

 

上澄みでいいなら上澄みの(楽)だけやって、「快」には手を出さないことです。

 

ここで、欲張って手を出すので「楽な方に気持ちよく」とか「きもちよさを探す」とか「どっちがきもちいいですか」のように、誤った「快」の解釈をしてしまうのです。

この、解釈の誤りが「操体ってわかんない」に繋がっています。

 

あ、これは操体指導者の話でしたね。ついつい(笑)

 

ここでは

 

普通一般の方は、操体をはじめてやる場合のヒントをご紹介いたします。

 

先程

1.今は何も問題がなく、健康維持増進のために操体を体得したい

2.どこか調子が悪いところがあるので、操体でメンテナンスして自分で治したい

 

の2つを挙げましたが、2のほうが圧倒的に多いのではないでしょうか。
つまり、セルフケアの前に「まずは治してからね」というケースです。

 

そして、これが操体の特徴。

操体は、何故か人生を変える。

操体は、何故か人生を変えます(私も変わった)。

それは「快・不快」をききわけ、選択する力がつくからだと思います。

 

操体は、一生モノの財産である

操体の特徴で、あまり知られていないのが少し残念でもあるのですが「からだをこわしにくい、つかれにくい、使い方・動かし方」を体得することができます。

使い方、動かし方がわかっている、ということは「なんとなくだけど、治し方や、元に戻す方法もわかる」ということになります。

これは一生モノの財産です。

 

操体は、反復と継続である

一生モンというのは本当です。

思い出す話があります。私が駆け出しの頃、操体を受けに来ていた方で

操体を一度受けて良くなったら、もう二度と悪くならないんですか」

と、真面目に聞いてきた人がいました。

う~ん、使い方が悪かったらダメだね!

 

人間、からだを使えば(使い方が分かっていれば、消耗の度合いは軽く済みます)、疲れるし消耗します。

操体を使うのは「消耗したり使いすぎたりした場合のメンテナンス」です。

1日からだを使ったら、ちゃんとメンテナンスする。それを続ける。

勿論たまにはサボるかもしれないけど、続ける。
顔を洗って歯を磨いて着替えをする。それと同じです。

 

ちょっと違うのは、操体は「きもちよさ」というご褒美がついてくるので、「今日もやろうっと」というモチベーションが湧きやすいのです。

 

最初から「お!これはキモチよさがある!」という方もいますが、大抵の方は、自分の感覚に注意をはらう習慣がないため、まずは「感覚の勉強」をします。

 

「きもちのよさ」を味わえるようになるには?

操体(第二分析以降)は、ターゲットが「楽(な動き)」ではなく「快(感覚)」になってきます。感覚の世界に入るので、それはひとそれぞれです。

「快」というのは、それまでの人生経験や、性別、年齢などにもかなり左右されます。

ちなみに、きもちのよさを味わえるようになる、1番の近道は「質の高い操体における快」を、操法を通じて受けることです(やっぱり最初はプロにやってもらうのが、ショートカットです)。

1番は「足趾の操法®」を受けることです。

わたくし、個人的にはこれが「万病を治せる妙療法」ではないかと思っているくらいで、診断と治療と癒しを一辺にできちゃう。すごいんです。

 

そして、もうひとつ、これは操者の秘密なのですが、足趾の操法というのは、受ける側だけではなく、やる方(操者)も、何故か元気になるという操体ならではの現象も起こります。

 

操体の指導者(施術者)は、相手の感覚の領域にまで関与するため、その辺りはしっかりトレーニングします。

 

これをやっていない人が「楽な方にきもちよく動いて(楽と快の混同)」とか「どちらがきもちいいですか(楽な動きは比較対照できるが、快は感覚なので比較対照しにくい)」とか「きもちよさを探して(動診@診断と操法@治療を混同している)」ということを言ったりします。

 

再三言いますが、私は操体でなければ、文句は言いません。しかし、操体指導者で、このようなことを言う方は、ちゃんと勉強しなさいと言います。

 

  1. 「楽な方にきもちよく動いて」(楽と快の区別がついていない)
  2. 「どちらがきもちいいですか?」(楽と快の区別がついていない)
  3. 「きもちよさを探して」(動診と操法、つまり診断と治療の区別がついていない)

 

この3つが出てきたら、要注意です。

 

また、「心地よさ」という言葉で誤魔化している場合もあります。

これは、操体の動診で「快」を提供できないので、「心地良い」という「快」の度合いではちょっとランクが下の言葉を使っているのです。

 

 

これらは、操体における「楽と快の違い」「動診(診断)と操法(治療)の違い」という、操体の第二分析におけるキモがわかっていないということです。

 

しつこく書いていますが、はじめて操体をやってみたいとか、受けてみたいという場合は、本とか動画ではなく、実際にプロの指導を受けるのが、急がば回れの早道だということなのです。

 

もし、アナタが、どこかに症状をかかえていて、それで操体をやってみたいと思うのであれば「健康体操」「養生法」的に操体をやっているところではなく、実際に「操体の治療」や、「操体臨床」をうたっているところで、まずは「セルフケア」をできるレベルまで調整することをお勧めします。

 

健康体操は「ある程度元気で動ける人が、これからも元気で過ごせるように」というのが目的です。つまり、元気な人が対象なので、どこか痛いとか辛いという人向けではないし、施術や治療、操体臨床(操体治療の現場)ではありません。

健康体操の先生は、健康指導はできるけれど、からだを壊しており、セルフケアができるような、健康度合いの人の治療や施術ができるわけではありません。

 

よくあるのが、健康体操教室的な操体指導教室で「腰痛を治して欲しい」とか「膝が痛いのを治して欲しい」と、健康体操のセンセイにお願いするというケースですが、これは、責任過多というものです(そういう話は結構ききます)。

 

しかしながら、操体のプロは、操体の治療・施術も可能ですし、健康体操的・養生的な指導もできるのです。だからプロなんですけどね。

 

なので、まずは操体のプロのところに行くのが近道なんです。

 

というわけで

施術+ベーシック講習 | 操体法の講習 | 操体法 TEI-ZAN操体医科学研究所

www.teizan.com

 

2023年春季フォーラム | Tokyo Sotai Forum

www.tokyo-sotai.com

 

 

そういえば、腰痛体操ってありますよね。

あれ、腰痛を治す体操ではありません。腰痛にならないために筋肉をつけるとか、体幹を鍛えるための体操です。

ひどい腰痛の人が、腰痛体操をやったからといって、腰痛がなおるのではありません。

 

まずは腰痛を治してから、腰痛にならないための筋力や筋肉をつけるためなんです。

 

 

 

 

 

 

 

 

はじめての操体法(序)

こんにちは。TEI-ZAN操体医科学研究所の畠山裕美(はたけやまひろみ)です。

 

操体法東京研究会の定例講習(こちらはプロの操体指導者を養成する講座です)も新しいタームが始まります。

 

そして

「はじめての操体法」というのは、これからセルフケア、メンテナンスのために操体をやってみようかな、という皆さんのヒントになれば良いなと思い、書いてみることにしました。

 

ちなみに、

「私は格闘技を本を読んでyoutubeを見て勉強したので強いです」という人、どうですか(笑)。

「私は格闘技を○○道場に通って、○○先生のもとで修業しました」という人のほうが本物っぽくないですか?

 

操体も同じです。体をつかった実技なので、本や動画では伝わらないのです。

 

操体操体法

ちなみに「操体」は『操体の世界全体、橋本敬三の哲学や死生観も含んでいる』と考えてください。「操体法」は、その中の「治療」や「身体論」という一部を指しています。大抵は「操体法」だけ知りたがりますが、生活および人生に活かすものですから、「操体」という大きな括りでみたほうが、学びが深まると思います。勿論、さらっと操体法、でもいいんですけどね。

 

セルフケアできる範囲と、そうでない範囲がある

ちょっと指を切ったくらいなら、ばんそうこうを貼って済みますが、これが指を落としちゃった!となったら、やはり病院に行きますよね。

 

以前、操体セミナーをやっているときに、脊椎狭窄症で動けない方が、這うようにして会場に入ってこられたんですが、その方が「操体は自分で治せるって聞いたから」とおっしゃり「いや、その状態ならばやはりまずは専門家(三浦先生のところとか)に行って、自分で治せる(自力自療が可能)状態になってからです」と伝えたことがありました。

 

 

ラジオ体操と太極拳の違い

操体創始者橋本敬三医師は、患者さんには「簡単ダヨ」と「毎日ちょこちょこやりなさい」と指導していました。

しかし、弟子達には「よくもこんな難しいものに足をつっこんだな(でも、操体は面白いぞ。一生たのしめるからな)」とおっしゃったそうです。

 

操体は、

専門家の助けを得て受けるのは、ハードルが低い
操体を一人でやるには、まず受けてみる、習ってみることがベスト

 

と、考えます。

 

ちなみに中見出しに「ラジオ体操」と「太極拳」をあげました。

この違いです。

まず、

 

  • ラジオ体操は見よう見まねでもできるが、太極拳はできない
  • ラジオ体操は動画などを見ながらでもできるが、太極拳はそうはいかない

 

太極拳をやったことがある方なら「そうだよね」と同意していただけると思うのですが、太極拳って、見た目は簡単そうに「みんなスイスイやってるじゃん」と思いますが、実際にやってみると、

非常にキツイ。

 

操体でも「足趾の操法®」とかを見て「簡単そう」と、真似をすると、「全く違うことをやっている」「手や肘や肩を痛める」ことになります。

 

そして、何故、マダム達が太極拳を優雅にスイスイやっているかというと、鍛錬を積んで時間をかけて反復しているからです。

昔のウーロン茶のCMで太極拳を舞ったのは、バレリーナだったそうですが、確かにバレリーナならば、数日特訓すれば太極拳は再現できるかもしれません。

 

そしてもう一つ。

操体法には「基本運動」(通称:般若経)と呼ばれる「型」のようなものがあります。

見た目は「簡単じゃん」と、ラジオ体操レベルで考えるのですが、実際に、これをちゃんとできる人は、あまりいません。

イベント等でみても「大枠だけはどうにか」というレベルです。

 

さらに「般若身経」は、簡単だと思われすぎているのか、大抵は甘く見られており「こんなのより早く操法を習いたい」という人も少なくありません。

 

しかし、これを完璧にマスターすれば、ほぼ全ての操体法のからだのさばき方は、体得することができます。

 

まずは「般若身経」をマスターすることからです。

 

どこか調子が悪くて、というのであれば、操体の施術を受けながら、セルフケアや、日常気をつけることなどは指導してもらえるはずです(私はやってますよ)。

 

なお、操体は「専門家に受ける」のは簡単です。

専門家は、そこを勉強しているので、ご本人が全く操体を知らなくても、軌道に乗せる術をしっているのです。

 

★たまに、ひどい?操体の指導者に当たってしまい「私ってよくわからないんで、操体を受ける資格がないんでしょうか」という方がいらっしゃいますが、そういう場合は、指導者が悪いのです。 指導者本人がわかっていないので、受ける方もよくわからない、ということになってしまう。

ご本人の責任ではないのに、ご本人が自分を責めるとか、操体って全くよくわかんない、というように思われてしまうのです。

 

それは操体実践者としては待った!をかけたい。

 

 

そしてそして、

私(畠山裕美)のところには「操体の本を読んでもさっぱりわからない」という方が、数多くいらっしゃいます。特に「ベーシック講習+操体の施術」を受ける方(これが当方の1番人気メニューです)は、殆どそうおっしゃいます。

 

大抵は「まず、本を買ってみるか」と、本を買います。でも、わからない。

 

わからない理由というか、操体の本(特に「操体法の実際(橋本敬三先生の著書ではない)」とか「万病を治せる妙療法」とか「ひとりで操体法(橋本先生の著書ではない)」)は、イラストがアバウトですし、タイミングやどうやって触れるのかとか、大事なことが抜けているのです。何故抜けているのかは果てしなく謎です。

 

もうひとつ。操体は「きもちのよさ」や「快」というキーワードも多用されます。

が、「万病を治せる妙療法」は、橋本敬三先生が「操体は快である」とおっしゃった、85歳より以前にかかれたもの、発売されたものです。

この頃の操体は「楽な方に動かして、瞬間急速脱力する」のがメインでした。

つまり「快」ではなく「楽」でスムースという選択をしていたのです。

 

それが、橋本敬三先生が引退後、85歳の時は三浦寛先生に、その後は90歳卒寿のお祝いの席で「楽と快は違う」「呼吸は自然呼吸でいい」とか、それまでの操体の常識をぶっ壊すことをおっしゃったのです。

 

三浦先生は、他の人よりも5年も前に「楽ではなく快」という言葉を師匠から受け取り「快」に特化した操体を体系づけました。それが「第2分析」です。

 

最初、それを知らない操体実践者達は、当時三浦先生と今先生が出版した

操体法治療室」(快にスポットライトを当てている)をガン無視したという話は効いています(私はこの本を読んで操体を志しました)。

 

 

30年位前は「きもちいい」という言葉は「女の子が使うとはしたない」とか、いわゆる性的なニュアンスがある(と言う人もいた)ため、あまりポジティブに使える言葉ではありませんでした。しかし「脳内革命」とか、「快」を肯定する風潮になってきました。

 

そうなってくると、それまで「橋本敬三は『快』なんて言ってねぇ」と、三浦先生をガン無視していた操体実践者達が、「さも最初からのように」「操体は快だよね」と、言い出したのです。

 

そして、やり方は「楽な方に動かして、瞬間急速脱力」のままなのに、言葉だけ「快」とか「きもちいい」という言葉を使うようになったのでした。

 

話を戻すと、先に紹介した農文協の本は「快」以前の「楽」の操体を紹介しています。

しかし、読者は「操体って快だろ」と「快」を求めているのです。

 

が、本には「楽」の時代の操体しか書いていない。

 

なので、わからないのです。

 

ちなみに、農文協の方に聞いたところ、入社時の社員研修で「操体法」をやるんだそうですが「よくわからない」と言っていました。

楽と快を混同しているから、わからないのです。

 

そして、もう一つ。

「楽な方にきもちよく」という言葉です。

これ、耳ぎこえはいい言葉です。しかしですよ。

 

楽な方がきもちいい、とは限らないのはお分かりでしょうか。

楽な方は、きもちよいのではなく「スムースでなんともない」のです。つまり、きもちよさはない。

 

たまに指導者でも「楽な方にきもちよく動いてバランスを整える」なんていう操体目線でいえば(操体でなければ別に言ってもいいですが)、まるっきりアホなことを書いている人もいるわけです。

 

下図は、快と楽と不快を図示したものですが「楽」と「快」を混同してしまっていると、操体の全体がつかめなくなります。

 

 

 

なので、操体をやってみたいな、自分でもできるかな?と思ったら、まずは一度操体の専門家に相談してみてください。

 

ポイントは

「楽」と「快」の違いがわかっていること

×「楽な方に気持ちよく動く」とか言わないこと

※コレを言ってる人は「楽と快」を混同しており、ちゃんと勉強していません。

 

これは、後程説明しますが、

×「きもちよさを探して動く」

×「どちらがきもちいいですか」と言わないこと(快を比較対照しようとする)

 

です。

 

 

私がこういうことを繰り返し書いているのは

「本を読んでもわからない」

操体を受けたけど、何がきもちいいんだかわからなかった」

という人がここ20年絶え間なくいらっしゃるからなんです。

 

あともう一つ。

操体も、環境に従って、からだにどんどんやさしくなっています。

30年前、40年前の操体の動画などを見ると「うわ。激しい」と思うものもあります。

21世紀にはいり、手技療法自体が、ソフト化、低刺激化しているのは事実です。

操体もその後「皮膚にアプローチする第3分析」や「呼吸を用いる第4分析」など、からだにやさしい進化を続けています。

 

 

はじめての操体法は、操体のプロに習うのが、近道ですよ、ということです。

 

 

 

 

2023年春季東京操体フォーラム 実行委員からひとこと

2023年春季フォーラム | Tokyo Sotai Forum

www.tokyo-sotai.com

 

今年の春のフォーラムのテーマは「健康寿命につながる健康学」。

平均寿命から寝たきりや認知症など介護状態の期間を差し引いた期間

 

あるいは

健康上の問題で日常生活が制限されることなく生活できる期間

のことです。

 

寿命は延びたけれども、寝たきりであるとか、要介護は増えているのが現実です。

 

操体はもともと「どこかを壊して不調になった人を治す方法」というよりも、「未病医学」(健康な人が病気にならないための医学)」という側面があります。

 

そして、東洋医学書の有名な言葉に

「上工は未病を治し、中工は已病を治す」

というのがあります。こちらは、操体創始者橋本敬三先生も著書の中でふれています。

上工というのは、腕の良い、一流の医者・治療者をさし、中工は普通、あるいはほどほどの医者・治療者をさすと考えると良いでしょう。

 

つまり、一流の腕の良い医者は、病気にならないうちに、治してしまう(未病、症状疾患にならないうちに)。

普通の医者は、今起こっている症状疾患のみを治す、という意味です。

 

操体と西洋医学の異なるところはいくつかありますが、1番違うのは「病気になる順番」と「治る順番」が逆だというところです。

 

ざっくり言うと「ウツワの外からの原因を考える」のと「ウツワの内側、ウツワの持っている器質から原因を考える」の、違いです。

 

西洋医学は「症状疾患がおこり、病名がついてから治す」ので、「未病」という概念はほぼありません。微症状は「不定愁訴」と言われ「自分では原因がわからないカラダの不調」です。なので、病名もつきません。

 

しかし、そういう人の方が多いのは皆さんよくご存知ですね。

 

今回は、未病医学と健康寿命操体のかかわり、活かし方について発表いたします。

 

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テーマ「健康寿命につながる健康学」

操体操体法指導者 操体を勉強中の方へ

実行委員からひとこと、はこちら

開催日時:2023年4月29日(土)昭和の日 9時~17時
開催方法:会場(三軒茶屋)とオンライン(zoom)のハイブリッド
(会場参加は一般社団法人日本操体指導者協会会員優先とさせていただきます)
参加費用:
A:前夜祭、記念Tシャツ一枚込み(申込みフォームにてサイズをお知らせ下さい)10,000円
B:フォーラムのみ参加 7,000円

お申し込みフォーム 

プレゼンター:三浦寛東京操体フォーラム理事長)東京操体フォーラム実行委員 

 

健康寿命とは

健康寿命」とは、WHOが提唱した新しい指標で、平均寿命から寝たきりや認知症など介護状態の期間を差し引いた期間を指します。

操体は、もともと未病医学であると創始者橋本敬三医師は言っています。
未病医学は、健康寿命に繋がるのです。

寿命が延びるにつれて、介護の問題も増えてきています。今後は「どうすれば健康寿命を延ばすことができるか」(寝たきりや介護状態を防ぐか)ということにますます注目が集まるでしょう。

これは、単に運動すればよいとか、○○を食べればよいとか、そういう問題ではありません。

多方向から(例えば、息食動想、環境、重心軸など)健康を見据える必要があります。

 

昔から「食のプロ」「呼吸法のプロ」「運動のプロ」「心のケアのプロ」「環境問題のプロ」「からだの重心などに関するプロ」は存在していましたが、それらのプロは「そこだけ」見ていました。

操体は、当初から「ボディのバランス現象」と「息食動想」は、関係していると考えており、これらを別々のものではなく、同時相関相補連動性として、包括して見てきました。その、包括的な見方に、操体の第五分析が加わり、健康寿命のための「未病医学」としての操体は、ますます進化しています。

 

今回の東京操体フォーラムは、これからますます注目されるであろう、健康寿命について「健康寿命と健康学」というテーマでお送り致します。

プログラム

 

9:00- 09:10  開会の挨拶 三浦寛幸瀧澤一寛(てまり堂)

9:10-10:30 「わたしにとっての健康、からだにとっての健康」
(タスクフォース:瀧澤一寛・寺本雅一三浦寛幸)

10:40-10:50 休憩

10:50-11:20 「からだの不調が操体を学ぶきっかけ」石田哲也

11:20-11:40  友松誠(からだバランス調整院)

11:40-12:30 0:50 午前の部 総括

12:30-13:30 昼休憩

13:30 14:30 健康寿命につながる健康学」三浦寛(人体構造運動力学研究所)

14:30-14:40 休憩

14:40-15:40 「人生とは何か」、「生きるとは何か」半蔵

15:40 15:50 0:10 休憩

15:50 16:50 感染症予防の観点からみた健康法のウソホント」岡村郁生(操快堂)

16:50 17:30 総括

今回よく登場するくらげ。

 

法力とは。

何度かこちらでも紹介しているが、私は永久保貴一先生の「密教僧」シリーズが大好きなんである。

それを知っている弟弟子のT本君が教えてくれた(彼もかなり密教好きだと思う)のが、これ。

心理分析が本業の著者が、心理分析法を用いて「法力」を調査している。

出版社は仏教専門出版社の法蔵館である。

これが、G研だとしたら(それはそれで面白いかもしれないが)オカルトとか「ムー」の世界に行きそうだが、仏教書専門の書店から出ているのである。

 

 

阿闍梨蒼雲」さんのシリーズ、最新刊(6巻)に、密教僧が旧ソ連からミグ(戦闘機)を引っ張り寄せたという話が載っているのだが、どうやら、その話のオリジナルのネタが、この本に出てくる「X阿闍梨」らしい。

 

X阿闍梨が行った事の数々が紹介されているが、驚きの連続である。

 

なんでも、お大師様が行った修行・修法をその通りにやったら、法力を得られにというのだ。

 

私自身、去年の11月から月イチ四ヶ月(3月は仕事の都合で欠席)、高野山真言宗のお寺にプチ修行に行ってきた。その際、四度加行を終えた先輩や、虚空蔵求聞持法(こくうぞうぐもんじほう)を実際に高野山で行った方からの話を聞いたりした。

 

虚空蔵求聞持法というのは、若き日の空海が行った行で、記憶力を増大させるというものだ。具体的には、虚空蔵菩薩真言百万遍唱える。

 

高野山でも「勿論名前は知っているが、やった人はあまりいない」という行らしい。

 

現在ネットで探すたと、何人かは行を終えた方の話が載っているが、非常に大変な行のようである。

さて、この行を終えてから、一体何が変わったのかというのは、終えた方からは聞くことはできなかった(なんだか聞ける雰囲気ではなかった)が、行を終えた後も、淡々と修行に励まれていたのではないかと思う。

 

至高体験をした後に、平常の日常に戻り、淡々と行を積む。それがホンモノなのかもしれない。

 

少し前に、福岡の新部健太郎先生がmある有名な新興宗教の教祖が、虚空蔵求聞持法を複数回行ったにも拘わらず、師匠筋から「オマエは根性が悪い」と言われた(つまりは、性根が悪いので、非常に大変な行を終えてもねぇ、という話だと思う)。

 

 

めまいその後

寝ると「ぐるぐるまわる」衝撃のめまい体験をしまして、その後三浦先生に治療していただき、大分改善しましたが、私の場合「寝るとぐるぐる」なので「良性頭位めまい症」であろうということで、自分でも目線を用いた操法などを試してみました。

 

私の場合、理由は明快でして「全然休んでない」ということが原因です。

  • 数日間強制的に夜9時に寝る
  • めまい体操(結構面白い)
  • エプリー法

を試し、足趾の操法®の講習で、受講生に足趾を少しやってもらったところ、まわらなくなりました。

 

エプリー法というのは、

  1. ベッドに足を伸ばして座った状態で、頭を右側に45度の方向に向ける
  2. このままの状態で上体を後ろに倒す
  3. このとき、めまいが現れることがあるが、めまいがなくなるまで、あるいは2分ほどこの頭の位置を保つようにする

というエクササイズですが確かに1,2をやったらぐるぐる回るので、びっくりしました。しかし、ぐるぐるが止まるまでやったところ、その後仰向けになってもひどいぐるぐるはなくなりました。

 

その後、あまりに12月から今までバタバタしていたもので(プライベートで休んだのは、12月29日に鎌倉の「大河ドラマ館」に行ったくらい。今年は元旦から講習もあった)また、真言宗の修業に行ったりもしていたし、大学も確定申告も忙しかったのでした。目が回っても仕方ない。

 

そして、これはもしや

「ストレス?!」

いや、これは「ストレス」だろう、と、ストレス解消法を考えてみました。

すると、

 

映画館で映画観てない!ことに気がついたのでした。

(テレビではなく、映画館で一人で観ることが重要。つまり、完全に一人で没入したい)

ヘタすると月4本とか5本とか映画館で観ていたのですが、最後に見たのが、昨年11月の「ブラックパンサー ワガンダ・フォーエバー」じゃないですか。。

 

これはいけない。

 

というわけで、日曜の午前中、時間を作って映画館に行って来ました。

今の時期はこれしかないでしょう。

庵野監督のインタビュー記事で「ライダー少年隊が苦手だった」という記事を読んで、私が感じていたのとなんだか似てるな、と納得しました。

 

初期の「ONEPIECE」の映画に、本編では登場しない子供キャラが出てきたりするのが、私はどうも苦手なんですよ。それを考えると庵野さんの「ライダー少年隊が苦手だった」というのは、長年のナゾが解けたような気がしました。

 

 

まあ「怪人二十面相」に「少年探偵団と小林少年」がでてくるのはいいんですよ。

ホームズの「ベイカー・ストリート・イレギュラーズ」も、今は言いませんが「浮浪児」の集まりです。子供ではあるけれども、社会の裏も分かっているような。。

小林少年の特技は女装だし(それかい)。

 

庵野秀明が明かす、なぜ僕が仮面ライダーを観なくなったのか「ライダー少年隊やウルトラマンのホシノ少年が苦手だった」(牧村 康正) | +αオンライン | 講談社(2/2)

 

 

www.shin-kamen-rider.jp

 

 

さて、本編ですが、全く持って大人向けです。

ショッカーの下級構成員を殴ると血しぶきがあがります。

下級構成員は、昭和のライダーを見ていた人間にとっては懐かしい?あの「キー」という叫び声は上げません。

ライダーのヘルメットからおくれ毛が出ているのもリアルです。

 

そして「シン・ウルトラマン」とキャストが被っているのもなんだか面白かった。

長澤まさみはどこに出てるんだ?と思ったら、サソリオーグだし。。

そして、竹野内豊(政府の男)が立花さんで、斎藤 工(ウルトラマン@情報機関の男)が、滝さん。。。(この辺りで個人的に大受け)。

 

そしてロボット刑事K(声@松坂桃李)も出てくるし。。キカイダーとかハカイダーが出てきたらどうしようかと一瞬思っちゃいました。

 

メフィラス星人は出て来ないのか?と思いましたが、出てきませんでした(笑)

メフィラス星人は、去年のNHKの大河に出まくってたしなあ。。

 

エンディングは、子門真人メドレーです。そうです。アレですよ。

 

細かいことは言いませんが、面白かったです。

 

トリビアとか考察とか色々こうさつしてみたいと思います。

 

 

 

 

 

 

 

ツボを押しても?

先日あるテレビ番組で「東洋医学でからだの不調をなおす」的なことをやっていました。

出ていたタレントが「東洋医学っていうと、オカルティックな感じ」とか言ってるので、

 

「いまどき何言ってんだろう」と思いました。

多分「気功」と「東洋医学」を混同しているんでしょう。まあいいけど。

 

そこでやっていたのが、「○○の不調にはここを押す」的なこと。

よく、雑誌やネットでも「○○にはこのツボ」的なことが書いてあります。

 

しかし、ですよ、

それで治っていたら、みんなやっていて、治療家はいりませんよね。

 

たまに「操体って自分でできるから、施術者はいらない」とか、プロの操体実践者に対して超失礼なことを言う人がいますが、

 

操体を自分でやって何でも治るんだったら、世の中の人はみんな操体をやってるはずだ」と思いませんか?

 

自分でやるには「自分で治せる程度」じゃないといけません。

自分で治せる範疇を越えたら、やはりプロの助けが必要です。

 

さて、ツボですが、何度か書いていますが「ツボは押すものではなく、効かせるもの」なのです。

 

「ツボを押している」という人の手元をみると、大抵ズレています。

鍼灸にせよ、鍼を打つわけです。大雑把にそのあたりを押すのと、鍼でピンポイントを狙うのとでは、全く違うのがわかっていただけるでしょうか。

 

その点、お灸はお勧めです。

温熱はエリアをカバーするから。自分でやるならお灸か蒸しタオル(濡れタオルをレンジで温める)がいいかも。

 

 

なかなか「そこに当たらない」

この辺りは触診も同じです。

操体で1番有名なのは、膝窩(ひかがみ)の触診ですが、最初は皆ヘタです。

大抵は、力を入れすぎてぐりぐりやるとか、被験者が痛いって言っているのに、ぐりぐり続けるとか、それは圧痛硬結ではなく、組織を押しつぶしている別の痛みだろうとか、とにかくできません(私もそうでした)。

 

私の場合、昔から手は練っていたものの、外気功(医療気功)を習い、その後三浦先生に弟子入りし、指尖の使い方を習得してから、飛躍的にできるようになりました。

 

基本的に、圧痛硬結は「探さない」のです。

「手がそこに行く」ようになります。勿論1週間やそこらでできるようになるわけではありません。今までも何人かに伝授していますが、最後まで伝授できたのは、数人です。大抵は「あともうちょい」というところで「これでいいだろう」と、勉強をやめてしまうのです。

こういうのって最後に「鍵」を渡すんですが、「鍵」を渡す前にやめちゃう。

※「鍵」っていうのは、最後に渡す認定証みたいなものです。勿論「モノ」ではなく、概念ですが。

 

三浦先生の渦状波にせよ、先生がいるところや、先生の庇護エリアの中で、効果を得て、「これなら自分でも独立してできる」と、まだ学びが完成していないのに、飛びだして独立開業して、結局は閉めた、という話は一人二人ではありません。