操体法大辞典

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護摩祈祷に思う。

12月4日に、仙台の奥座敷、秋保の慈眼寺の護摩祈祷に行って来ました。

その後に、「霊験修法曼荼羅」を読んだわけですが、この4巻に、護摩祈祷(この場合は、不動明王)の最中、お坊さんはどんな感じなのか、どんなことをしているのかの、手順などが描いてあります(相当簡略化されていますが、よくわかります)。

慈眼寺では蔵王権現護摩祈祷をするのですが、お寺の方が「最初、大阿闍梨が儀式をしますが、とても大切なところなので、静かになさってください」というような注意がありました。

 

このマンガを読んで「なるほど、蔵王権現をお呼びしていたのだな」と分かりました。確かに儀式ではとても大事なところです。

 

密教僧 秋月慈童の秘儀 霊験修法曼荼羅 4 (HONKOWAコミックス)

密教僧 秋月慈童の秘儀 霊験修法曼荼羅 4 (HONKOWAコミックス)

 

 さて、少し前に、依頼があり、師匠のお供をして往診に行ったことがあります。

詳細は書きませんが、お家の方を診て欲しいということで、お伺いしました。
その後、ご家族がyoutubeなどで、渦状波®(カジョウハ)を受けて、無意識の動きを発動するのを見たとのことで「動きを発動するものを教えて欲しい」との連絡を頂きました。

 

そもそも、渦状波は、活元などのように、無意識の動きを誘発するのが目的ではありません。動かない人もいますから。

 

そして、これは、我々の中でも、5年とか10年とか、修業を積んだものができるものなのです。

 

「どこに触れればどうなるのか」という「スイッチの在処」を皆さん一番知りたがりますが、その答えはありません。

人によって異なるからです。そして、それを勉強するのに時間と経験が必要なのです。

 

また「からだは操者を選ぶ」こともありますので「からだに選ばれる操者」になるという、勉強も必要です。

 

★何度も言います。「習えばできる」というものではありません。
習ってからの修業が必要です。

 

たまに「センセイの真似してやってみたけど、さっぱりです」という方がいますが、それは当然なのです。

 

★先の「護摩祈祷の際を再現」したコミックを読んでいただけると、なんとなくニュアンスがわかるかもしれません。操者は「単に触れている」わけではないのです。
操者の中では、色々なことが起こっているのです。

 

操体を「自分でできる」と認識している人がいます。
間違いではありませんが、それは「健康の度合いが間に合っている」(セルフケアが叶う)方に対してです。また、セルフケアができるなら、他者(家族)とかにもできると思う方もいるようですが、セルフケアよりも、他者(家族でも)に行うというのは、格段に難易度が高くなります。

 

操体も、よく聞くのが、試しにやってみたらビギナーズ・ラックですごく良くなったのだが、行き詰まった、という話です。

 

健康の度合いが足りない、自力自療に間に合わない人達のために、我々プロがいるのです。

 

ここで思ったのが、前述の護摩祈祷です。

 

護摩祈祷ができるのは、修業を積んだお坊さんです。
これは、ちゃんと決まっていますし、ちゃんと修業していない人が真似事でやると、大変なことになったりします。

例えば、低級な霊に取り憑かれたり、バチが当たったりします(先のコミックをお読みください)。

 

 

一方、信者や檀家さんは、日々のお勤め(朝晩仏壇にお水やお茶やご飯を供えるとか、お花を飾るとか、手を合わせるとか)は勿論できます。

 

 

しかし、法事とか護摩祈祷などの場合は、お坊さんに来て頂くか、お寺で法要をしていただきます。

 

 

操体もこれと同じなんです。

日々のお勤めは家でもできますし、自分でできます。自分でできる範囲のセルフケアです。

 

でも、法事とか護摩焚きとか、特別な場合は、専門家に任せるのです。

 

★なお、普段から日々のお勤めをなさっている場合は、護摩祈祷の時など、ご加護のループが行き渡りやすいようです。そりゃそうですね。

 

先のお願い(渦状波を家に来て教えて欲しい)というのは、
護摩祈祷を家にきてやって欲しいし、そのやり方を教えて欲しいということなのです。
修業がすっぽり抜けているのです。