先日「操体は自分でできるからいいですよね」という方がいらっしゃいました。
特に目立った愁訴もないのですが、操体に興味があり、受けてみたいとのことでした。
私は聞いてみました。
「もし、自分で操体をやって、何でも治るんだったら、今頃操体は世界的に広まっていて、世界制覇?してるはずですよね」
「そうですね・・」
「操体って、自分でできるからいい、っていう方、結構いらっしゃいますが、操体法の創始者、橋本敬三先生(医師)のところには、医者に見放された人が沢山来ていたんですよ。それと、操体は自分でできる、っていうのって、何か噛み合わないと思いませんか??」
「そうなんですか?」
「なかには『操体法は自分でできるから、あなた(つまり畠山)みたいな施術者はいなくてもいいんじゃないですか』なんていうひどい人もいたりします」
というわけで、また例の図を出しました。
「操体の場』を三つに分けると
1.「自力自動で行う操体法」健康度の度合い60パーセントくらい
2.「サークルや体操教室などで行う操体法」健康度の度合い60パーセントくらい
ここまでは「健康度の度合い」が間に合っているので、自分でもできるし、サークルや体操教室などでのケアでも間に合います。
操体・操体法が自分でできる、っていうのは、健康度が6割以上の人に可能なのです。
(自力自療可能)
3.健康度の度合いが40パーセント以下の場合。
この場合は、健康度がかなり下がっているので、自力自療まで間に合わないことが多いのです。
その時に、我々操体の専門家が、健康度の度合いを60パーセントまで引き上げるお手伝いをしているわけです。
たまに、健康度の度合いがどう見ても4割を切っているのに「操体は自分でできるんですよね」と言う方がいらっしゃいますが「自力自療レベル」まで(6割程度)は、サポートが必要です。
また、2(サークルや体操教室)に携わっている方で、
「ラクなほうにきもちよく動きましょう」とか「きもちよく動いて~」的な指導をしている方がいますが、サークルや体操教室に来る方というのは、基本的に動ける方ばかりです。
※ラクな方(可動域が大きい、動かしてもバランスがとれていてなんともない方に
動かして、きもちいいということは、まずありません。「楽な方に気持ちよく動かす」という理解をしている方は、「楽(運動感覚差)」と「快(感覚)」の違いが分かっていないのです。
※※ あ~あ、また言っちゃったけど、未だに「楽」と「快」を混同していて、無責任に使っている人が多いので、言ってるんです。
なので『楽な方にきもちよく動いて~』なんて言っても、本当は「楽でスムース」なだけなんです。
これは、受け手の問題ではなく「楽と快」を混同している指導者の責任です。
×「楽な方に気持ちよく動いて」
×「きもちよさを探して」
×「どっちがきもちいいですか」
と、言っている人は「楽と快の違い」が分かっていない、勉強不足の人です。
あと、健康度の度合いが60パーセント以上の人ならば「あ~、伸びてきもちいい」というように、ストレッチ系の「きもちよさ」にスイッチしてしまうんです。これは、健康度の度合いが高いので、当然と言えば当然です。
そして、我々のように
3.健康度の度合いが40パーセント以下の場合
こう言う方に操体臨床を行っている場合、どこかトラブルを抱えていらっしゃるのです(つまり、痛いとか辛いということです)。
ぎっくり腰で「いたたたた」と言っている方に
「きもちよく動いて~」なんて言ったら、怒られますよね。
まとめです。
1と2エリア(健康の度合いが6割以上)★自力自療可能レベル
3健康の度合いが4割以下 ★自力自療不可能レベル
★4割以上6割未満は微妙ですが、「3」に含んでおいたほうが良いでしょう。
なので「ある種の勘違い」なのです。