操体法大辞典

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秘伝とは

秘伝とは。

 

例えばハタケヤマセンセイに100人の弟子がいたとします。

ハタケヤマセンセイは、その中の一人、小十郎君を呼びつけ、蔵の中で、他の誰にも聞かれないように「秘伝」を伝えます。

 

それは、普通ハタケヤマセンセイが弟子に言っていることとは違うことでした。

「口外してはいけない。これは一子相伝だから、オマエも誰か一人、これだという弟子に伝えなさい」


その後、99名の弟子は、ハタケヤマセンセイから教わったことを忠実にやりました。
小十郎君は、伝授されたことを他の弟子に知られることなく、続けました。表面上は小十郎君も他の99人の弟子と同じようにやっていました。

 

やがて、小十郎センセイにも弟子が100人できました。

小十郎センセイはその中から真魚(まお)君を呼びつけ、蔵の中で、他の誰にも聞かれないように「秘伝」を伝えます。

それは、普通小十郎センセイが弟子に言っていることとは違うことでした。

「口外してはいけない。これは一子相伝だから、オマエも誰か一人、これだという弟子に伝えなさい」

 

やがて、真魚センセイにも弟子が100人できました(笑)

 

秘伝は、このように伝わってきたのではないでしょうか。

 

「秘伝」というのは簡単なことだから、言っちゃうとありがたみがないから秘伝っていうんだよ、という話を聞いたことがあります。

 

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一方、阿闍梨蒼雲さんの話などを読むと、例えばお祓いとか天部の神様と繋がるということですが、これは霊能力やその手のものが無くとも、修行を積んでやり方を伝授されれば(面白いのは、先輩やお師僧様から伝授されるということです。つまり、自分勝手にやりたいとか決めたとか始めたというのではなく「この人ならば大丈夫だろう」という人に伝授されるというシステム)誰でもできるようになるそうです。

 

阿闍梨蒼雲 霊幻怪異始末 1 (HONKOWAコミックス)

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また、これも書いた事がありますが、武術の修行で「自分はもうできる」と、勝手に師匠の元を去り、自己流でやっていると「からだがこわれる」というシステムがあるそうです。

 

つまり、最後の「アレ(秘伝)」を授かっていないうちに「自分はできるわぁ」と、やっていると、からだを壊すということです。

 

私も長年指導していますが「最後のアレ」を伝えないうちに「自分でできます」と去って行く人の多いことよ。

 

しかし、そうじゃないと「一子相伝」は成り立ちません。